チルドレンパイソンの基本情報
チルドレンパイソン
オーストラリアに分布する小型のパイソンです。
オーストラリアにはヒメニシキヘビ属Antaresia という1mに満たない大きさの小型のパイソンが数種類分布しています。
- チルドレンパイソンAntaresia childreni ・・・オーストラリア北部
- スポッテッドパイソンA. maculosa ・・・オーストラリア東部
- スティムソンパイソンA. stimsoni ・・・オーストラリア西部から中央部
- アントヒルパイソンA. perthensis・・・オーストラリア西部
基本的に地色が明赤褐色で、やや不明瞭な暗色の斑紋が不規則に並んでいます。特にスティムソンやスポッテッドに比較して、本種はこの斑紋が不明瞭である個体が多いようです。腹部は白色で斑紋はありません。一見、細長く見えますが尾は短く成長した個体は小型ながらもパイソンとしての迫力を持っています。また顎にもピット器官が備わっています。
主に岩場に生息していて、ほとんど木に登ることはない地表性の生活をしています。夜間に活動することが多く、昼間は岩の割れ目や倒木の下などに隠れています。
カエル、トカゲなどから小型の齧歯類まで、さまざまな脊椎動物を食べています。
現地の真夏である12月に産卵を行い、10-15個の卵を産みます。卵は70日程度孵化します。孵化した幼体も比較的小さく25cm程度の大きさしかありません。
ご存じのようにオーストラリアの野生動物は輸出が全面的に禁止されていますので、多くの種類は高価なのですが、本種は飼育もしやすくEUを中心に多く繁殖されているため、比較的安価で流通しています。
小さいというだけで、他に何もパイソンとしての魅力を失っていませんので、本当におすすめのパイソンと言えます。
かーなーり、好きなヘビです。ほとんど日本のジムグリくらいの大きさですし、バタバタするヘビでもなし。そりゃ、ちょっと地味ではありますけどね...
ちなみに、この種の解説に必ずつきものの「チルドレン」の意味ですが、記載当時に大英博物館の館長をしていたジョン・ジョージ・チルドレンに献名されたものです。つまり人名なのです。もちろん、私だってかつては「小さいパイソン」=「チルドレンパイソン」=「『小さい』と『子ども』をかけているんだ」と勘違いしていましたので、たぶんそう思っていらっしゃる方もいらっしゃることでしょう。
CITES(ワシントン条約)の付属書II類掲載種
赤っ恥をかかない程度の知識- オーストラリアの小さなパイソン
- 「チルドレン」は人名
- 斑紋が薄い個体が多い
- 比較的安価なCB個体が多く流通している
- 飼育は難しくない
チルドレンパイソンの飼育方法
飼育の基本情報〈飼育容器〉
サイズに合わせてプラケース・衣装ケース・爬虫類専用ケースなどを使う
〈温度〉
昼はホットスポットを32℃くらいにし、その他の場所は最低26℃程度に。夜間は24~27℃程度に保温する。
〈照明
ホットスポットのみだ
〈床材〉
新聞紙、キッチンペーパー、砂、ウッドシェイブなど
〈容器内レイアウト〉
シェルターと倒されない大きさの水容器を設置する
〈餌〉
大きさに合わせたマウス。冷凍を解凍したものでよい
〈基本的な世話〉
- コーンスネークなど中型のナミヘビと同様の飼育でよい
※「飼育の基本情報」は海外サイトおよび「大蛇世界(マリン企画)」を参考にしました。
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