早いもので、この12月で私もAll Aboutガイドとして7年目に入ってしまうわけですよ。
最初の頃は、本当に国産種しか知らない初心者みたいな人間だったのに、いつの間にか多少は両爬のことを広く浅くではありますが、語れるようになってしまいました。
そうなると、悲しいもので、何も知らなかった頃の自分を忘れて、まるで昔からなんでも知っていたかのようになってしまうことがあるんですよね。だんだんと、両爬についてどんな話がおもしろかったのか、どんな話を知った時に感動したのか、そんなことまで忘れてしまって、次から次へと新しい刺激を求めてしまうようになってしまう、そんなつまらん人間になっちゃうのかもしれません。
で、今回は、そんな話の一つの例にもなるかもしれません。やはり初級者の方向けの記事として「箱ガメ」を話題にしてみたいと思います!
日本の箱ガメ・ヤエヤマセマルハコガメ |
「箱ガメ」の疑問
また、なんで今さらハコガメなのか、と。先日、ヘビを飼い始めて日が浅い方から
「カメの甲羅の『蝶つがい』って意味がわからなくて」
なんて、質問をいただいたんです。
そりゃ、ショックでしたよ。
だって、今でこそ「両爬オンライン図鑑 Terra Herps.」の中で
「腹甲に2つのヒンジがあって」
なんてわかったように書いていますが、そもそもヒンジなんて言葉を使うようになったのはガイドになってからですし、セマルハコガメのことを初めて知った時の感激なんて、とっくになくなっちゃっている自分に気づいてしまったから。
で、私自身も初心に戻ったつもりで、あらためて「箱ガメ」のお話しをしてみようかと。
なんで「ハコガメ」じゃなくて「箱ガメ」?
さっきから、文章の中に「ハコガメ」という言葉と「箱ガメ」という言葉が出てきていることにお気づきの方も多いかもしれません。実は、「箱ガメ」と「ハコガメ」って、ちょっとニュアンスが違うんです。
厳密ではないんですが、だいたい「ハコガメ」って全部カタカナで書くと、それはイシガメ科のアジアハコガメ属Cuora またはオカハコガメ属Cistoclemmys の仲間とか、ヌマガメ科のアメリカハコガメ属Terrapene の仲間あたりの種類を指します。この仲間のカメは、和名にすると「○○ハコガメ」となるからです。例えばマレーハコガメ、セマルハコガメ、カロリナハコガメみたいに。
では「箱ガメ」は?
読んで字のごとく、「箱のように、甲羅にフタをすることができるカメ」のことを指すのです。
それって、ハコガメと違うの?と思う方も多いと思います。
実は、「箱のようにフタをできるカメ」というのはセマルハコガメのような「ハコガメ」だけでなく、他のカメの仲間たちにもいるんです。というか、かなり多いんです。
ですから、そんな「『ハコガメ』に限らず、箱のようにフタをすることができるカメたち」のことを総称すると「箱ガメ」となるわけです。英語でも、まんまBox Turtleと呼ばれています。