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トゲヤマガメの飼育はやや難しい? 基本情報と飼育方法を解説

今回は、トゲヤマガメの基本情報と飼育方法をご紹介いたします。トゲヤマガメはその独特の形状から、海外でも人気があるアジアのヤマガメです。高温と乾燥に弱い、植物食で偏食個体がときどき見られるなどの理由から、飼育はやや難しい部類に入るカメと言えます。

執筆者:星野 一三雄

トゲヤマガメの基本情報

トゲヤマガメの基本情報と飼育方法

写真提供:オーナーズフィッシュ

トゲヤマガメ
学 名Heosemys spinosa別 名:-英 名:Spiny Turtle分 布:東南アジア(タイ、ミャンマー南部、マレーシア南部からインドネシア)甲 長:18~22cm

その独特の形状から、特に海外で人気アジアのヤマガメです。名前の通り特に幼体では背甲の周囲にとがったトゲのように突起が並んでいて、よく「手裏剣」に例えられます。残念ながら成体になるとトゲ状の突起は失われて背甲も高くなって普通の地味なカメになってしまいます。また腹甲には明瞭な放射状の模様があって結構美しいです。

生息環境は山間部の森林内の浅い清流で、やや涼しい環境を好みます。林床を歩き回る生活をしており、ほぼ陸生と考えていいでしょう。植物食性が強く、飼育下でも果実や野菜などを中心に与えることになります。

12月から2月くらいに多湿環境にしてやると発情するようで交尾、産卵に至った記録があります。卵は1から2卵を一度に産み3クラッチ程度の産卵があるようです。卵は26~30℃で106日前後で孵化するようです。

人気が高いため、国内でもWC個体が比較的多く流通していましたが、他のアジアのカメと同様に数が減少してきているようで、最近はあまり見かけなくなってきました。高温と乾燥に弱い、植物食で偏食個体がときどき見られるなどの理由から、飼育はやや難しい部類に入るカメと言えます。

さすがに、こういう特徴のあるカメは私もよくわかります。私的にはかなり好きなカメであります。たまに首を曲げた時などに自分の背甲のトゲでケガをする個体がいるそうで、トゲヤマガメのジレンマなんて言葉ができそうです。

CITES(ワシントン条約)の付属書II類掲載種

 

トゲヤマガメの飼育方法

飼育容器
60cmクラス以上の水槽や衣装ケースなど。

温度
22~27℃程度が適温。高温部は27~30℃程度まで。冬は保温が必要

照明
高温の照明を嫌うため爬虫類用の紫外線入り蛍光灯を用いる

床材(底砂)
保湿性のある素材を厚めに敷く

容器内レイアウト
陸生が強いが水にも比較的よく入るため、体高と同程度の水深の水場を設置する方がよい


植物食。果実を好む。初期の餌付けにはトマトが有効。

基本的な世話
いわゆるハコガメやヤマガメ類の飼育法ポイントは
  • 高温と乾燥に注意
  • 水質の悪化に注意
  • 一週間に二回程度、霧吹きなどによって多湿になるようにする
  • トゲで手をケガしないように注意すること
  • など
※「飼育の基本情報」は「ミズガメ大百科(マリン企画)」「爬虫・両生類ビジュアルガイド 水棲ガメ2(誠文堂新光社)」および海外サイトを参考にしました。

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※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。

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