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マレースジオ"キャメロンハイランド"

ナミヘビ科の第21弾は、世界に誇るアジアンラットの最高峰・ケーブラットことマレースジオのキャメロンハイランドです!

執筆者:星野 一三雄

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マレースジオ"キャメロンハイランド"

学 名Elaphe taeniurus ridleyi ※2002年から新しい学名としてOrthriophis taeniura ridleyi も使われている別 名:ケーブラット、リドレイ、ドウクツスジオ等に「キャメロン」と冠して区別英 名:Cave Rat Snake"Cameron Highland"分 布:マレーシアのキャメロン高原全 長:180-230cm

ほとんど幻のヘビでしょう。欧米のナミヘビマニアに非常に人気のあるスジオナメラの中で、最も美しいとされる亜種・マレースジオのさらに最も特徴的な体色で、最も流通しにくい地域個体群です。

マレースジオはタイ南部からマレーシアにかけて分布する亜種で、洞窟に生息しコウモリを食べていると言われています。そのため深海魚や地下水、洞窟などに生息するさまざまな動物は色素が減少し白っぽくなるのと似ていて、本亜種も他のスジオナメラの亜種と異なりほとんど斑紋がなく白っぽく幽玄的な美しさを持っています。

しかし、マレーシアのキャメロン高原の個体群は非常に鮮やかな黄色を発色することが特徴になっています。このような独特の美しさから世界中のマニアの憧れの的でありますが、ほとんど流通することがなく実物を見ることはなかなかできません。日本でもその存在だけは知られていましたが、基本的に流通したことはなく、今回ご紹介した写真の個体も日本ではじめての個体と思われています。

※その他のスジオナメラ一般の生態や情報はタイリクスジオの項を参考にして下さい。

本亜種は前述のように洞窟に生息すると言われていますが、キャメロン高原産は他の亜種のように森林などで生活しているようで、そのような生活様式の違いで独特の体色になっているのかもしれません。

キャメロン高原産としての野生での生態などは詳しくわかっていませんが、日本で唯一の繁殖例を参考にすると、8月頃に5-15個程度の卵を産み、26℃程度の温度で90日をかけて孵化したようです。ただし普通のマレースジオは60日程度で孵化に至りますので、この例が一般的なのか、それとも特別に孵化日数を要してしまうようなマイナス要因があったのかは、これからの繁殖報告を待たねばなりません。

孵化した幼蛇は濃褐色の部分が多くやや地味な感じですが、これが成長するにしたがって黄色くなってきます。

流通している量が非常に少ないので、日本でもまず流通しません。しかし、先述のように日本の飼育者が繁殖に成功し、2006年のHBMでそのCB個体を出展し大変な話題になりました。

今後もまずWCが流通するようなことはないでしょうから、今回のCBを入手できた方たちは将来のCB化を目標に頑張っていただきたいと思います。そんなわけですから、それはそれは高価なヘビであります。

私は個人的に派手さが少ない普通のマレースジオの方が好きだったのですが、本タイプの実物を見て、その美しさにあっという間に魅了されてしまいました。何コレ!?こんなのあり?って感じでした。

ってよく考えてみたら特定外来生物法によって輸入する際に申請し政府による判定を受けなければいけない「未判定外来生物」に指定されていますので、今後WCの流通はあり得ません。まさに「祈・CB化」です。幼蛇

幼蛇

画像をクリックすると拡大画像と詳細が表示されます
マレースジオ
赤っ恥をかかない程度の知識
  • 亜種としてはマレースジオ
  • キャメロンハイランド(キャメロン高原)はマレーシアのパハン州の西北端にある
  • 鮮やかな黄色に発色するのが特徴
  • まず流通しない
  • 非常に高価
  • 気性は荒い個体が多い
  • 飼育自体は容易
飼育の基本情報飼育容器ヘビの大きさに合わせフタがしっかりとできるプラケースや衣装ケースなど。高さの低いフラットプラケでも可。大きさはよく言われるようにヘビがとぐろを巻いたときの3倍程度以上の床面積があればよい。温度特に保温の必要はない。照明特に必要なし床材ウッドシェイブなど。新聞紙やクッキングペーパーでも良いが潜ってしまう。容器内レイアウト体全体が浸かるような倒されたりあふれたりしない水容器とシェルターを設置する。餌マウスに餌付いている場合は大きさに合わせたマウスを置き餌にする。冷凍を解凍したものでよい。基本的な世話いわゆるナミヘビの飼育方法ですが、その他に
  • 脱皮前に湿度が低すぎると脱皮不全になりやすいので、大きめの水入れが必要
  • ※「飼育の基本情報」は「爬虫・両生類ビジュアルガイド ヘビ(誠文堂新光社)」および海外サイトを参考にしました。

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