Q.サンショウウオとイモリの幼生の違いは?
サンショウウオとイモリの幼生の違い
基本的には、サンショウウオを捕まえたからどうやって飼育すればいいのか?という内容なのですが、画像を送ってもらうと実はイモリの幼生であった、ということがときどきあります。
もちろんサンショウウオもイモリも有尾類ですから幼生は、似ています。
それに私が子どもの頃に住んでいた神奈川県では野生でサンショウウオはおろかイモリも生息していませんでしたので、慣れていない人にはサンショウウオの幼生とイモリの幼生なんて区別がつかないのが当たり前です。
そういうわけで、今回のFAQは「サンショウウオとイモリの幼生の見分け方」をご紹介しましょう。
で、私の回答。
A.外鰓の色と側線の有無で見分けられます
同じ両生類であるカエルの幼生は、いわゆるオタマジャクシですが、有尾類の幼生は少しカエルの幼生とは形態が異なります。イモリやサンショウウオの幼生の最大の外見上の特徴は首の付け根にある「外鰓」の存在です。いわゆるウーパールーパーのように首の付け根に羽根飾りのようなものがついます。これが外鰓です。
これは文字通り体の外にある鰓で、魚と同じようにこれを使って水中で呼吸を行います。
この外鰓の色を見るとイモリとサンショウウオは区別がつきます。
一般にサンショウウオの幼生の外鰓は「黄褐色-ピンク色」をしています。しかし、イモリの幼生の外鰓は「黒色」をしています。
それに、そもそもイモリの幼生は体色自体が全身黒色をしています。一方のサンショウウオの幼生は種類や生息環境によりますが明るい褐色をしていて全身に暗褐色の小さな斑紋がある場合が多いです。
イモリの幼生 外鰓は黒く体側の白い点列の側線が明瞭 |
画像提供:さくちゃんの生きもの便り |
またオオサンショウウオの幼生は外鰓は黒色をしてます。ただし非常に大きいので間違えることはないと思われますが。
またこれらの幼生をプラケースなどに入れて横からよく見ると、別の相違点に気づくことでしょう。
それが側線の有無です。
イモリの幼生は、魚のように体側に外鰓付近から尾にかけて明色の小さな点列を観察できます。これがイモリの幼生の側線です。
ところがサンショウウオの幼生の場合は側線はあるのですが、地色が明色であるためほとんど観察できません。
サンショウウオの幼生 外鰓は明るい色で体側の側線は判別できない |
画像提供:さくちゃんの生きもの便り |
<関連サイト>
びっきぃとやまどじょう(日本の両生類全種の図鑑)
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