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ナイルオオトカゲ(ナイルモニター)の基本情報と飼育方法

今回は、ナイルオオトカゲ(別名ナイルモニター)の基本情報と飼育方法をご紹介いたします。ナイルオオトカゲは、アフリカ大陸最大のオオトカゲ。最大で2mになる凶暴な獣として飼育する覚悟があるのなら、最も飼育を楽しむことができるモニターであるようです。

執筆者:星野 一三雄

ナイルオオトカゲの基本情報

ナイルオオトカゲの基本情報と飼育方法

ナイルオオトカゲの基本情報と飼育方法

ナイルオオトカゲ
学 名Varanus niloticus別 名:ナイルモニター英 名:Nile Monitorなど分 布:ナイル川以西のサハラ砂漠とその周辺部を除いたアフリカ大陸全土、アメリカ合衆国(フロリダに帰化)全長:165cm前後 最大242cm

アフリカ大陸最大のオオトカゲです。

現在は以下の2亜種に分けられることが多いようですが、別種という説もあります。

  • Varanus niloticus niloticus コモンナイルオオトカゲ・・・基亜種
  • V. n. ornatus ニシキナイルオオトカゲ・・・アフリカ大陸中西部
写真の個体は基亜種と思われますが、一応亜種の特定はしないでおきます。

背面と四肢の地色は灰褐色から暗緑色で、小さな円形の黄色斑点が多数散在しています。この明色斑で5-9本のバンドを形成しています。ニシキ亜種はこのバンドの幅が大きく5本入ることが基本で、基亜種は幅が細く6-9本であることが多いようです。幼体時は明るい黄色のバンドが多数入り、メリハリのある体色をしています。舌の色は青色ですが基亜種は色が濃く、ニシキ亜種は舌の色が薄いと言われています。

比較的水に対する依存性が高く、恒久的な水がある場所ならば砂漠の周辺以外は多様な環境に生息しています。飼育下でも、野生でも水に潜る姿が多く観察されており、30分ほども潜っていることができるそうです。

野生下では、動物性のさまざまなものを食べており昆虫類、爬虫類、小動物、甲殻類、貝類、魚類、死肉などを食べています。しかし、成長段階によって頭骨と歯の作りが変化することが知られており、これは食性の変化と深い関係を持っていると考えられています。

繁殖のシーズンは地域によってさまざまですが、メスは1クラッチで最大で60卵以上を産みます。卵径は4×6cmほどで、27-30℃くらいで120-150日、32℃で90日程度で孵化しますが、野外でシロアリのアリ塚に産卵された例では例外的に300日の記録もあるようです。孵化した幼体の全長は30cm前後です。

アフリカ大陸の国立公園内では野生動物は保護されているため、本種の個体数が非常に多い場所があるようです。しかし皮革用に非常に多くの個体が捕獲され生息密度が著しく低下している場所もあるようです。

飼育の対象としては、とにかく気が荒く、扱いにくい種類であるようで、ネット上で飼育されている方のサイトを見ても、とにかく悪戦苦闘している情報しか入手できません。とにかく「ナイルモニター=気が荒い」と。流血事故も日常のことのようですし。

しかし、それでも人気があるのは、やはりそのモニターらしい堂々とした風格と野性味のようです。特に他のモニターや中型以上のトカゲはケージに鼻先をぶつけて吻端がつぶれてしまうようなことが多いのですが、本種はそういうことがなく、特に頑丈であるのも特徴のようです。

最大で2mになる凶暴な獣として飼育する覚悟があるのなら、最も飼育を楽しむことができるモニターであるようです。

CITES(ワシントン条約)の付属書II類掲載種

赤っ恥をかかない程度の知識
  • ナイル川周辺だけに生息しているわけではない
  • 気が荒く扱いにくい
  • 丈夫で飼育自体は容易
  • 安価
 

ナイルオオトカゲの飼育方法

飼育容器
幼体ならば60cm程度の爬虫類専用ケースでいい。最終的には自作の特大ケージが必要

温度
基本は26℃程度。ホットスポット下は50℃前後で設置。容器下にフィルムヒーターを敷く。ケージ内に温度勾配を作ること

照明
爬虫類用の紫外線灯やバスキングランプが必須。できれば直射日光で日光浴をさせる。

床材
ヤシガラ土など、多少湿度を保持できる素材を厚めに敷く

容器内レイアウト
止まり木になるような太めの枝を一本だけ斜めに立てかける。水によく入るので、水容器は大きめのものを設置する


幼体時はコオロギを中心にウズラ、マウスなどを少量。栄養添加剤は必須。成体はマウスやウズラ、肉片など

基本的な世話
オオトカゲ類の飼育に準ずる
  • 多湿を好むので、定期的に霧吹きをする。
  • 幼体時は低温と乾燥に十分に注意する。
  • 特に入荷直後の幼体を飼育し始めたときは湿らせたミズゴケを床材にして、高温に保ち状態を整える
※「飼育の基本情報」は「爬虫・両生類ビジュアルガイド オオトカゲ&ドクトカゲ(誠文堂新光社)」「大蜥蜴世界(マリン企画)」「ビバリウムガイド No33(マリン企画)」および海外サイトを参考にしました。

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。

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