デルタクロコブチズガメの基本情報
撮影協力:Map Turtle's Farm(於:ぶりくら市2006)
学 名:Graptemys nigrinoda delticola別 名:ミナミクロコブチズガメ英 名:Delta Map Turtle, Southern Black-knob Sawback Map Turtle分 布:アメリカ合衆国南部(アラバマ州モビール湾の三角州地帯)甲 長:オス9-12cm メス15-20cm
アメリカを代表する水生ガメのチズガメ属Graptemysの仲間です。チズガメの仲間はアメリカ合衆国南部に比較的広く分布しており、背甲の模様が地図の等高線のようになっているところから名付けられました。
本種はアラバマ州とミシシッピ州に生息するクロコブチズガメGraptemys nigrinodaの1亜種です。基亜種であるキタクロコブチズガメG. n. nigrinodaは広い範囲に生息していますが、本亜種は非常に限られた範囲にしか分布していないため、他のチズガメの仲間以上に生息数の減少が危惧されています。
チズガメの仲間は、一般にメスが非常に大きくなりますが、本亜種はチズガメの仲間の中でも最小の種です。またチズガメの仲間は、メスが巨頭化するグループとしないグループに分けられますが、本亜種は「巨頭化しない」グループになります。形態的特徴は、名前からもわかるように、特に幼体時の背甲の椎甲板が高くコブ状に盛り上がることです。この隆起は成長とともに失われて、成体ではなめらかになります。基亜種であるキタクロコブチズガメとよく似ていますが、本亜種の方が地色が黒く、特に腹甲に基亜種にはない複雑な斑紋が入ることが特徴とされています。
生息環境は水量が多い場所で、特に陸地から水面に植物が垂れ下がっているような場所が多い環境を好むようです。昼間は水面から突き出た流木などに乗って日光浴をしていますが、危険を察知するとすぐに水中に逃げ込みます。
チズガメの仲間は肉食傾向が強いのですが、本亜種も甲殻類や昆虫類、小さな魚などを食べていると思われています。
チズガメは顔もかわいらしく、背甲の突起やノコギリ状の後縁など特徴的で魅力があります。ただし、生息地では激減している種が多く、保護されている場所が多いようです。本亜種はその中でも分布域が狭いため、アメリカ国内でも細々と飼育下で繁殖させているだけであるらしく、ほとんど流通することがありません。
デルタクロコブチズガメの飼育方法
飼育容器大きさによって60~120cmクラスの水槽や衣装ケースなど。
温度
25℃を下回らない程度に保温。夜間は20~21℃。ホットスポットは30℃
照明
紫外線入りのバスキングランプが必要
ろ過
できれば、外部式フィルターと上部フィルター
床材(底砂)
特に必要なし
容器内レイアウト
幼体時は背甲の高さの2倍以内の水深、成体時は20~30cm程度の水深の水場と完全に乾燥した陸地
餌
配合飼料で良いが、肉食性が強く昆虫類や甲殻類、二枚貝類も与える必要がある
基本的な世話
いわゆる水生ガメの飼育法であるが、特に
- 水質の悪化に非常に弱いため、汚れたらすぐに取り替える
- など
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