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マタマタの飼育方法とは?基本情報と飼育法

マタマタの飼育方法をご紹介いたします。マタマタの特徴的な形態はとても独特で、昔から人気が高いです。あまり動かなくて飽きやすいなどの欠点が有名になっているカメですが、マタマタの飼育には大きな魅力があるのです。

執筆者:星野 一三雄

マタマタの飼育方法とは?

マタマタ

マタマタ

学 名Chelus fimbriatus別 名:-英 名:Matamata Turtle分 布:南米(ベネズエラ、コロンビア、エクアドル、ペルー、ボリビア、ガイアナ、フランス領ギニア、スリナム、ブラジルなどのアマゾン川とオリノコ川流域)甲長:45cm前後

独特とか、特徴的とかいう言葉を凌駕するような風貌で、昔から人気が高いマタマタです。川の中に沈んでいる落ち葉やゴミなどに擬態するためと思われる皮膚のひだ状突起。また四角く凹凸が顕著な背甲や三角形の頭部。さらにシュノーケルのように長く突き出た鼻部……

マタマタが他のカメと形がどう違うのかを説明するための形態的特徴はいくら挙げてもキリがありません。もちろん、そのインパクトのある名前も現地の言葉で「皮膚」を意味しているというのもなるほどです。

ところが、ただでさえ特徴的な形態なのに、オリノコ川の水系とアマゾン川の水系ではその形態に地理的変異があるというのですから驚きです。一般に、オリノコ川水系の個体群は上の写真のように背甲が明るい色をしていて腹側にもあまり顕著な斑紋が見られません。一方、アマゾン川水系の個体群は背甲は一様に暗色で、腹側も明瞭な黒斑が広く存在しているのが特徴です。

ほとんど陸地に上がることはなく、水底でじーっとして近くを通りかかる魚などを、水ごと飲み込んで食うという生活をしています。

昔から、その形のユニークさから人気が高く流通量も多いのですが、いざ飼育してみるとまったく動かず、すぐに飽きられてしまうカメということでも有名になってしまいました。飼育の際にも、そのことは覚悟する必要はあります。

もちろん私も、両爬の世界に入る前は観賞魚の世界に生きていたので、マタマタは昔から飼育してみたいカメでありました。そして今でも飼育してみたいと思っています。あまり動かなくて飽きやすい、配合飼料に餌付かない、突然死することがある、などの欠点が有名になってしまい最近では本当に好きな人しか飼育を許されないカメ、というイメージが強くなってしまいましたが、よく考えてみるとまだマタマタの飼育には大きな魅力があるはずです。

飼育下での繁殖、つまりCB化です。流通しているほとんどが野生採集個体(WC)です。いくらアマゾンが広いとは言っても無限ではありません。マタマタのCB化は必要であると言っても間違いではないでしょう。これからマタマタを飼育しようと思っている方々は、そんなことを目標に飼育を楽しんでみてはいかがでしょう。

なんて言っても、本当につまらなさそうなカメであります。私も今まで動いているマタマタなんて見たことがありません。
 

マタマタの基本情報

飼育容器: 60~90cmクラス以上の水槽や衣装ケースなど
温度: 高温を好むので26~30℃に保温
照明: 陸に上がらないのが、水中でのバスキングを期待して紫外線入りの照明が必要
ろ過: できれば、外部式フィルターと上部フィルターでゆるやかに流れを作る
床材:(底砂) 特に必要なし
容器内レイアウト: ほぼ水生なので十分な量の水量を確保する。水深は首を伸ばして呼吸できる程度。水質の酸性化と足がかりのために、特に幼体では流木などを配する。
餌: 肉食性。配合飼料には餌付きにくいので生きた小魚中心に週に2~3回程度。

基本的な世話
  • 換水は週に一度、3分の2程度
  • 2週に1回は全換水
  • 全換水時にブラックウォーターを利用
  • 餌の与えすぎが突然死の原因と言われることがあるので過食に注意
※「飼育の基本情報」は「爬虫・両生類ビジュアルガイド 水棲ガメ2(誠文堂新光社)」「ミズガメ大百科(マリン企画)」「ビバリウムガイドNo.22」を参考にしました。

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