一番初めにお断りをしておきますが、今回の「ミドリガメの飼い方」は
「ミドリガメの飼育を煽るあるいは推奨する」のではなく「何も知らないでミドリガメを飼い始めてしまった人」向けに「ミドリガメを『飼育し続ける』ことを推奨する」のが目的です。
ですから、決して「水生ガメファン」の方はお読みにならないようにお願いいたします。水生ガメをこよなく愛し、さまざまな水生ガメを大変な努力と工夫で飼育し続けている方たちからは「非常識」と思われるような飼育方法が書いてあるかもしれませんので。
何卒、私星野の本意をお酌み取りいただき、寛大なお気持ちでご容赦いただければ、と思います。
『ミドリガメ』 |
1.私とミドリガメ
検索エンジンなどを利用して、単純にミドリガメの飼育方法の情報を探して、こちらにたどり着いた方は、ここは読み飛ばして「ミドリガメの飼い方・本文」からお読み下さい。プロフィールにも書いてありますが、ミドリガメは私がものごころついた時に、はじめて飼育をはじめた生き物です。
今から34年前、つまり私が5歳の時の夏祭りの夜店で彼らと出会いました。
4つ年上の兄と私が、ひどくミドリガメを欲しがったらしく、1匹ずつ兄と私で計2匹のミドリガメを母に買ってもらったようです。
夜店のおじちゃんは腹甲の形を見て
「オスとメスにしてあげよう」
と言ったようです。今にして思えば、そんな小さなカメの雌雄など判別できるわけないのですが...
兄の方はオスで、名前を「カメ男」と名付け、私の方はメスで「カメ子」と名付けたように記憶しています。
残念ながら、私のカメ子は購入後二週間ほどで原因不明のまま死んでしまいました。今にして思えば、日光浴のさせすぎでの熱射病だったのだと思います。
兄のカメ男は、あっという間に兄が面倒を見なくなり、結局、私が世話をし続けました。
カメ男はすくすくと育ち、数年後には私が川で拾ってきた野良ミドリガメ(今から考えればオス)と一緒にずーっと私と母で面倒を見続けました。
冬は冬眠をさせ、餌を食わなくなったら正露丸を飲ませ、天気のいい日は庭で散歩をさせて飼育しました。
購入から13年後に私は大学に進学するために母に二匹のミドリガメを託して、家を出ました。
その後、母と父は私たち子供の代わりと考えて、二匹のミドリガメの世話をし続けました。
途中で、オスだと思っていたカメ男が無精卵を産んだことによりメスであることが20年後にわかったりとミドリガメは私たち子供がいなくなった後の、星野家の主役であり続けました。
結局、この二匹のミドリガメは26年目に飼育とは無関係の事故により死なせてしまいましたが、今でも私の生き物好きの原点であります。
私の両親は(父はその後他界しましたが)、その後は生き物を飼育することはなかったのですが、なんと数年前から、カメ男を放り出した、兄が2匹のミドリガメを飼育し始めたことが判明。
しかも、私の忠告を完全に無視して
「いや~、うちのカメちゃんたちは水が嫌いなんだよ」
と言いながら「座敷ガメ」として飼育し続けています。
よせばいいのに、夜は、なんと布団の中に入れて一緒に寝ているというのですから呆れかえります。そんなすっとこな兄夫婦に愛されながらミドリガメたちは、兄夫婦という星野家で主役になっています。
さまざまな意見があることは十分わかっていますが、少なくとも私は最大で26年間ミドリガメを飼育し続け、またここ数年、兄夫婦のミドリガメの飼育をサポートしていることで、私なりのミドリガメ飼育に自信を持っています。