▼水容器の選び方
水容器の基本は「倒れない」ことです。
せっかくきれいに掃除をして、新しい床材に変えたのに、あっという間に水容器が倒されてびしょびしょ...なんてのは切ないです。
倒れないためには「床との接地面積が大きい」ことと「重い」ことでしょう。
また、どんなに大きくとも水の蒸発速度は意外に大きいものです。ですから、一見して水容器内の水の量を把握できる構造と言うのも重要な要素です。
爬虫類専用の水容器はさすがによくできていてデザインもソレっぽくていいです。また小鳥用の陶器の水容器は開口面積が大きいのがありがたいです。100円均一ショップで売っている灰皿もモノによっては使えます。小さい個体の飼育にはゼリーやプリンのカップも背が低くて安定していれば安上がりです。
ヘビの場合は水入れに床材が入ってしまうのを防ぐためには開口面積を狭くする必要があります。そこで私は大小のタッパーを使っています。タッパーの蓋は軟らかいので簡単に穴を開けることができ便利です。
容器内の水はできれば毎日とりかえて、常に新鮮な水を彼らに与えたいものです。
▼湿度の維持
生き物を飼育すること、の一番いい方法は、彼らが自然で生息している環境をそのまま再現してあげることでしょう。「湿度」に気を遣うことは、その最もよい例と言えます。
砂漠に住んでいる種類は、乾燥させなくてはいけませんし、ジャングルに住んでいる種類は多湿にしなければいけません。つまり、その生き物がどんな環境で生活しているのかくらいの基礎的な生態の知識は前もって勉強しましょう。また、日本の気候は「夏は多湿、冬は乾燥」ですから、季節によっても湿度の管理は変わってきます。
空気中の湿度の管理は「霧吹き」「水入れの常設」「通気の工夫」によってコントロールをするのが一般的ですが、ヤドクガエルのような小型のカエルのように空気中の湿度がそのまま生命の存続に関係するような種類の場合は霧発生装置「ミスター」が利用されるようなこともあります。タイマーに接続すれば自動的に、定期的に空気中の湿度を高めることができます。
また、ケージ全体の湿度を上げられない場合はタッパーの中に湿ったミズゴケを詰めた「ウェットシェルター」を設置すれば、自ら選んで多湿の場所に入っていくわけです。
さらに空気中の湿度に敏感な種類の場合は湿度計の設置も有効です。湿度計に頼るのではなく、数字として把握するのも大切でしょう。
▼床材の湿度の保持
有尾類や地中性のヘビ、トカゲモドキの多湿を好む種類などは床材の湿度も管理しなくてはいけません。ピートモスやヤシ殻土などの植物系の床材は湿らせておけばいいわけですが、よく考えてみたら自然の地面は下の方へ行くほど湿っているはずです。つまり飼育下でも床材は下の方ほど湿らせるべきでしょう。メンテナンスは大変ですが、私はケージの底面に湿ったミズゴケを敷き詰めて、その上にピートなどの床材を敷いています。また、通気を確保するためと、乾燥具合を知るために赤玉土も混ぜています。給水するときにケージの端の方から水を入れていけば、ミズゴケが水を吸っていきますので「上の方は乾燥、下に潜るほど多湿」という自然に近い湿り気が得られます。
以上湿度に関して基本的なことを述べてみましたが、湿度の保持は意外に難しいモノです。アマガエルなどは乾燥しすぎると、もちろん干からびてしまうし、じゃ多湿にすればいいかというと、水ぶくれになって「陸上で溺死」なんてことにもなるのです。
彼らの体調がいいときの表情を、よく覚えておいて、ご機嫌を伺いながら、湿度を見極めてください!!
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※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。