それにも関わらず、トイレ以外で粗相を始めるのは、下記のような理由が考えられます。猫がトイレ以外で粗相をはじめた場合は、下記のどれかに思い当たることがないか、考えてみてください。
猫の粗相 考えられる原因をチェック!トイレの場所や汚れなど
●猫のトイレが汚れている
猫は非常にキレイ好き。自分しか使っていない、たった1回しか使っていないトイレでも気に入らない猫がいます。トイレはいつも清潔に保ってあげましょう。
●猫がトイレの形や砂の形状が気に入らなくなった
単純に、猫が意味もなく今まで使っていたトイレの形や砂が気に入らなくなって、そのトイレを使わなくなる場合もあります。
トイレの数を増やして、今まで使用したことがない砂をいくつか用意してみてください。
●猫がトイレの場所を気に入らない
トイレが落ち着いて使えない場所にあったり、トイレを使用中に何か不安を感じるような出来事が起きて、トイレ以外の場所を探すようになる場合があります。トイレを使っている時の猫は非常に無防備です。ですから、猫にとってトイレは一番安全で安心できる場所でなければいけません。
例えばトイレをしている最中に近くに物が落ちたり、大きな声や物音がしたり、人がバタバタ足音を立てて近寄ってきたり…それだけで、猫はその場所のそのトイレを使うことに不安を感じ、そのトイレを使いたがらなくなります。猫がトイレを使っている時はできるだけ、見て見ぬふりを。あまりオープンな場所ではなく、柱の影や家具の間などにトイレを置いた方が良いでしょう。
●猫が別の場所を気に入った
トイレ以外でトイレをした場所の感触が気に入ってしまう場合もあります。お布団の上、乾いたばかりの洗濯物の上でしたらオシッコがす~っと吸い込まれて快適だったなど、猫らしい理由でその場所が気に入ってしまい、度々その場所をトイレとして使用する事が。
お布団やタオルなど、一度オシッコされた物は猫が立ち触れないようにするのがベストです。 また、水入れの中や洗面所など水の近くでトイレをする猫も多いです。水辺でトイレをすると自分の臭いが消えるので、自分の存在を残したくないという本能的な行為かもしれません。
水入れをトイレにする場合は水入れを地面から高く上げる、洗面所などには入れないようにしてください。
●病気の疑い
初期の泌尿器系の病気の可能性があります。一度オシッコの検査を獣医師に依頼してください。
不妊手術をしていない猫の場合……本能的なスプレー行為の可能性が
不妊手術していない多くのオス猫は、交配相手を探すために自分がそこにいる印(臭い)を付けるスプレー行為をします。これはそのオス猫の環境内に発情中のメス猫がいる場合、特に頻繁に行われます。しかし、全てのオス猫がスプレー行為をするとは限らず、去勢手術をしていなくてスプレー行為を行わないオス猫もいます。
スプレー尿は通常のオシッコより数十倍アンモニア臭が強く、引っかけられた物によってはその臭いを取り去ることが不可能な場合もあります。
オス猫のスプレー行為はほとんどが、通常のオシッコをする時のような腰を下ろしてではなく、腰を上げてシッポをピンと伸ばし、壁や家具に向かってオシッコを飛ばすスタイルです。しかし、腰を下ろしたオシッコスタイルでも、スプレー行為の場合があります。また、様々な場所でスプレー行為をしますが、ウンチはトイレでする場合の方が多いようです。
スプレー行為はメス猫でもみられますが、メス猫の場合はトイレ以外でウンチもすることが多いようです。
性的成熟はその猫の個体差によってかなりの違いがありますが、一般的に短毛種は長毛種より性的成熟が早く、まだまだ子猫だと思っていてもスプレー行為を始める場合があります。スプレー行為を始めるということは、もう子孫を作り出す本能が活発に活動を開始しているので、計画的な繁殖を考えていない場合は早急に獣医師と不妊手術の相談をしてください。
子猫でもスプレー行為を始める可能性があるので、要注意
大抵の猫は不妊手術をすれば、スプレー行為をやめますが、長く習慣化した後や、その猫の性的本能度が高い場合は、なかなかスプレー行為が止まらない場合もあります。しかし、不妊手術をすれば、きついアンモニア臭のスプレーの臭いは半減しますので、少し掃除が楽になるでしょう。
補足:フェリウエイというフェイシャルフェロモン様製剤を利用したことがありますが、我が家ではまったく効果なしでした。
■フェリウエイとは?
猫の額などから分泌される臭いの成分を科学的に調整した製品。猫は額などをこすりつけてフェイシャルフェロモンをマーキングする。この臭いのあるところでは、精神的に落ち着くといわれている。
縄張り(テリトリー)意識の強い猫の場合……ストレスが原因かも
新しく猫が増えた場合、元々の縄張り意識が非常に強い猫の場合は、別の猫に自分の縄張りを侵されると思い、粗相を始める事があります。これもスプレー行為です。この場合は、不妊手術を行っていてもスプレーが始まります。同居し始めた猫が子猫の間は、スプレー行為をしなかったのに、その猫が成長してからスプレー行為が始まる場合もあります。
例えば兄弟猫でも、ある日突然相手を自分の縄張りを侵す存在と意識し始めスプレーする場合もあります。同じ屋根の下に同居しなくても、猫が見える範囲の隣の家や、外の道路に見知らぬ猫を見かけることでスプレー行為を始める猫もいます。このスプレー行為は同居猫が同性・異性に関係なく行われます。
縄張り意識の強い猫という可能性も
こういうタイプの猫は複数で飼うのが難しい性質といえるでしょう。隣の猫や外を歩いている猫であれば、その存在が目に入らないようにすれば済みますが、同じ家の中で飼っている猫であれば、姿を見せないようにしても臭いや音でその存在を感じます。
また、スプレー行為だけでなく部屋の真ん中でウンチをし始めたりすると、その猫のストレスは最高潮に高まっているかもしれません。このようなスプレー行為が始まってしまった猫は、そのうち大きなケンカをする可能性もあります。一度大きなケンカをしてしまうと、その猫たちを同じスペースで飼うことは非常に危険です。
可能であれば、上記のような行為が始まってしまった猫は単独で飼うことをおすすめします。
老齢猫の場合
年齢による失禁等は人間と同じように猫にも起こります。トイレを猫のいつもいる場所の近くに置く、数を増やすなどの対応を。加齢による腎疾患の可能性もありますので獣医師の診断を受けてください。人の気を引きたい猫がわざとする場合
あまり留守をしたことのない飼い主が長時間家を空けた、仕事が忙しくて・他の夢中になる物(人)ができて猫をかまってやる時間がなかった……などなど。猫と飼い主の関係がすれ違った時、猫は粗相して自分の欲求不満をぶつけてくることがあります。猫のご機嫌が直るまで、今まで通り猫に奉仕しましょう。
原因不明(お手上げ)の場合
1匹飼いで、周りに他の猫の影がなく、トイレはいつも清潔で複数個、病気の疑いもなく、猫の居住空間は広く、いつも同じ場所や物に粗相するわけでもなく……そう、全く原因がわからないけど、トイレだけは使わない猫も存在します。一時的にトイレが置けるほど余裕のある大きなケージなどに隔離すると、きちんとトイレを使い始める事がありますが、また部屋の中を自由にさせると、別の場所で……。こういうパターンは、残念ながらお手上げです。
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