猫はトイレを簡単に覚えます
猫はトイレを簡単に覚えます
保護猫の新しい飼い主さん探しをしていると、時々「トイレのしつけできていますか?」という質問をいただきます。犬にトイレを教えるのはかなり大変ですが、猫にトイレを教えるのはとても簡単。

猫が室内で飼いやすい動物だといわれるのは、決まったトイレを使用してくれるのが理由のひとつでしょう。ここでは猫のトイレのしつけ方法や、置く場所、トイレや砂の変更方法、ガイドの猫砂遍歴などをご紹介します。
   

猫にトイレの場所をしつける方法

猫に新しいトイレを覚えてもらう方法は、猫をトイレの中に入れて、前足で砂をかかせてニオイを嗅がす、これを2~3回繰り返すだけでほとんどの子は覚えてくれます。もし以前にも猫トイレを使っていた猫であれば、そこで使っていたものと同じトイレと猫砂を用意しましょう。今まで使っていたトイレの中の猫砂をひとつかみもらってきて、それを新しいトイレ砂に混ぜればよけいに覚えるのが早いですが、まっさらの猫砂でも問題なく使える子が多いです。
 

猫のトイレ場所は落ち着けるところに

注目されると猫も落ち着けない

注目されると猫も落ち着けない

トイレ使用中は猫にとって一番無防備な瞬間です。ですから猫トイレは、部屋の隅や柱や家具の陰など、猫が安心して落ち着ける場所に置いてください。猫がトイレを使っている最中は、大きな音を立てたり、いきなり近寄ったり、呼びかけたりしないで、できるだけ無関心を装ってください。トイレに入っている時に驚かされると、猫は安心してトイレが使えなくなり、他のところでの粗相の原因になることがあります。

迎え入れるのが幼い子猫であれば、最初は100円均一で購入できる水切りかごを3個ほど用意し、部屋の数カ所・猫が分かりやすい場所にトイレを置きます。子猫はトイレの回数が多いですし、遊びに夢中になっているとトイレに間に合わないことがあります。いつでも使えるトイレを猫がいる近くに用意してあげてください。猫の成長と共に徐々に仮トイレの数を減らし、大きなトイレをセットします。トイレの場所は一気に動かさず、少しずつずらして数日間かけセッティングしたい場所に誘導します。

広いお宅や1階2階など、いろんな階層に猫が行けるお宅には、何カ所かに猫トイレを設置してあげてください。
 

猫用トイレのタイプ

使用する猫砂が固まらないタイプの場合は、すのこが付いているもの、固まるタイプの場合は、すのこの付いていないものを選択します。フードがあると、外観上直接目に触れないので同居人にはよいかもしれませんが、猫にはフードの中にニオイが隠りやすかったり、猫によってはフードが身体に触れるのを嫌がる子もいるので、猫の様子を観察してから決めた方がよいでしょう。トイレは猫の身体に見合ったもので、大きめの方が猫には好まれるようです。
 

猫用トイレ砂の変更方法

よく猫砂を混ぜて、徐々に変更していきましょうとアドバイスされますが、固まる砂から固まらない砂へ変更したい場合などですと、トイレの形状も違いますし、混ぜてもあまり意味がないかも知れません。ガイドとしては、今までのトイレの横に、新しいトイレ+トイレ砂を置いて、猫が新しいトイレを使えば古いトイレを片付けるという方式でOKだと思います。

以前使っていたものが細かい形状の猫砂で、新しい猫砂が大きなタイプであれば、猫は細かい形状のものを好んで使うことが多いので、そちらばかりを使用するかも知れません。その場合は、以前使っていた猫砂をひとつまみだけ新しい猫砂に混ぜて、古い方をいきなり撤去しても問題なく新しいトイレを使ってくれる猫が多いです。ただし、もし新しいトイレだけにして猫が1日トイレを使わない様子でしたら、トイレを我慢して膀胱炎などになると大変です。すぐに古い方のトイレ+トイレ砂をセットしてください。
 

猫はキレイ好き!トイレ掃除はこまめに

猫はキレイ好き!

猫はキレイ好き!

キレイ好きの代表格として知られている猫ですから、たとえ自分が出したモノでも、それが残っている状態のトイレ使用を嫌がる猫がいます。猫のトイレはいつも清潔にしてください。猫にとっては、使用したらすぐに片付けてもらえるのが理想かも知れませんが、なかなかその対応が難しい時もあるでしょう。なので、猫1頭にプラス1個の猫トイレがあれば、猫も納得してくれると思います。
 

トイレ以外での猫の粗相の原因

トイレ以外の場所で猫が粗相をした時は、その原因を探しましょう。原因がわかれば、それを取り除き、猫が安心してトイレを使える環境を用意してあげてください。
  • トイレが汚れている
    猫は非常にキレイ好き。自分しか使っていない、たった1回しか使っていないトイレでも気に入らない猫がいます。トイレはいつも清潔に保ってあげましょう。
     
  • トレイや砂の形状が気に入らなくなった
    単純に、意味もなく今まで使っていたトイレの形や砂が気に入らなくなって、そのトイレを使わなくなる場合もあります。トイレの数を増やして、今まで使用したことがない砂をいくつか用意してみてください。
     
  • トイレの場所が気に入らない
    トイレが落ち着いて使えない場所にあったり、トイレを使用中に何か不安を感じるような出来事が起きて、トイレ以外の場所を探すようになる場合があります。トイレを使っている時の猫は非常に無防備です。ですから、猫にとってトイレは一番安全で安心できる場所でなければいけません。例えば、トレイをしている最中に近くに物が落ちたり、大きな声や物音がしたり、人がバタバタ足音を立てて近寄ってきたり……。それだけで猫はその場所のそのトイレを使うことに不安を感じ、そのトイレを使いたがらなくなります。猫がトイレを使っている時は、できるだけ見て見ぬふりを。あまりオープンな場所ではなく、柱の影や家具の間などにトイレを置いた方が良いでしょう。
     
  • 別の場所が気に入った
    トイレ以外で用を足した場所の感触が気に入ってしまう場合もあります。お布団の上、乾いたばかりの洗濯物の上でしたらオシッコがす~っと吸い込まれて快適だったなど、猫らしい理由でその場所が気に入ってしまい、度々その場所をトイレとして使用することが。

    お布団やタオルなど、一度オシッコされた物は猫が触れないようにするのがベストです。 水入れの中や洗面所など水の近くでトイレをする猫も多いです。水辺でトイレをすると自分の臭いが消えるので、自分の存在を残したくないという本能的な行為かもしれません。水入れをトイレに使われてしまったら水入れを地面から高く上げる、また洗面所などには入れないようにしてください。
     
  • 病気の疑い
    泌尿器系の病気によって粗相が始まることもあります。獣医師にご相談ください。
     
  • 性的な縄張り付け行動
    もし粗相し始めた猫が不妊手術(去勢・避妊)をしていなければ、トイレ以外での粗相は性本能的なスプレー行為の可能性もあります。不妊手術していない多くのオス猫は、交配相手を探すために自分がそこにいる印(臭い)を付けるスプレー行為をします。これはそのオス猫の環境内に発情中のメス猫がいる場合、特に頻繁に行われます。スプレー尿は通常のオシッコより数十倍アンモニア臭が強く、引っかけられた物によってはその臭いを取り去ることがかなり難しいです。

    オス猫のスプレー行為は、ほとんどが通常のオシッコをする時のような腰を下ろしてではなく、腰を上げてシッポをピンと伸ばし、壁や家具に向かって飛ばすスタイルです。しかし、腰を下ろしたオシッコスタイルでも、スプレー行為の場合があります。様々な場所でスプレー行為をしますが、ウンチはトイレでする場合の方が多いようです。スプレー行為はメス猫でもみられますが、メス猫はトイレ以外でウンチをすることが多いです。

    性的成熟はその猫の個体差によってかなりの違いがありますが、一般的に短毛種は長毛種より性的成熟が早く、まだまだ子猫だと思っていてもスプレー行為を始めることがあります。スプレー行為を始めるということは、もう子孫を作り出す本能が活発に活動を開始しているので、計画的な繁殖を考えていない場合は早急に獣医師と不妊手術の相談をしてください。

    大抵の猫は、不妊手術をすればスプレー行為をやめますが、長く習慣化した後や、その猫の性的本能や縄張り意識が高い場合は、なかなかスプレー行為が止まらない場合もあります。しかし、不妊手術をすれば、スプレーのきついアンモニア臭は半減しますので、少し掃除が楽になるでしょう。
     
  • 縄張り(テリトリー)意識の強い猫
    もともと縄張り意識が非常に強い猫のところに新しく猫が増えると、新しい猫に自分の縄張りを侵されると思い、粗相を始めることがあります。これもスプレー行為。この場合は、不妊手術を行っていてもスプレーが始まります。

    同居し始めた猫が子猫の間は、スプレー行為をしなかったのに、その猫が成長してから行為が始まる場合もあります。例えば、兄弟猫でもある日突然相手を自分の縄張りを侵す存在と意識し始め、スプレーする場合もあります。同じ屋根の下に同居しなくても、猫が見える範囲の隣の家や、外の道路に見知らぬ猫見かけることでスプレー行為を始める猫もいます。このスプレー行為は同居猫が同性・異性に関係なく行われます。 こういうタイプの猫は複数で飼うのが難しい性質といえるでしょう。

    スプレー行為だけでなく、部屋の真ん中でウンチをし始めたりすると、その猫のストレスは最高潮に高まっているかもしれません。このようなスプレー行為が始まってしまった猫は、そのうち大きなケンカをする可能性もあります。一度大きなケンカをしてしまうと、その猫たちを同じスペースで飼うことは非常に危険です。隣の猫や外を歩いている猫であれば、その存在が目に入らないようにすれば済みますが、同じ家の中で飼っている猫であれば、姿を見せないようにしても臭いや音でその存在を感じます。可能であれば、そのような行為が始まってしまった猫は単頭で飼うことをお奨めします。
     
  • 年齢による粗相
    年齢による失禁などは、人間と同じように猫にも起こります。猫がいつもいる場所の近くにトイレを置く、数を増やすなどの対応を。加齢による腎疾患の可能性もありますので、獣医師の診察を受けてください。
     
  • 人の気を引きたい猫
    あまり留守をしたことのない飼い主が長時間家を空けた、仕事が忙しくて、他の夢中になる物(人)ができて猫をかまってやる時間がなかった……などなど。猫と飼い主の関係がすれ違った時、猫は粗相して自分の欲求不満をぶつけてくることがあります。 猫のご機嫌が直るまで、今まで通り猫に奉仕しましょう。
     
  • 原因不明の場合(お手上げ)
    1頭飼いで周りに他の猫の影がなく、トイレはいつも清潔で複数個、病気の疑いもなく、猫の居住空間は広く、いつも同じ場所や物に粗相するわけでもなく……など、全く原因がわからないけど、トイレだけは使わない猫も存在します。一時的にトイレが置けるほど余裕のある大きなケージなどに隔離すると、きちんとトイレを使い始めることがありますが、また部屋の中を自由にさせると別の場所で……。こういうパターンは、残念ながらお手上げです。

猫が粗相をした時のしつけ方法

猫と仲良く暮らすためにもしつけは優しく

猫と仲良く暮らすためにもしつけは優しく

猫がトイレ以外の場所をカキカキし始めた瞬間であれば、優しく抱き上げトイレの中に連れて行くとそこでしてくれるでしょうが、一度オシッコが出始めると止めることはできません。その時に大きな声を出したり、叱ったり体罰を加えると、猫はオシッコを我慢して病気になったり、人前では決してしなくなるかも知れません。トイレ以外の場所でされてしまったら、その場で叱らず、し終わってから優しく抱き上げ、「トイレはこっちだよ」と話しかけながらつれてきましょう。一度粗相をした場所は人間にはわからなくてもニオイが残りますので、洗えるものだったら徹底的に洗濯、または捨ててしまった方が無難かも知れません。

何度も同じ場所で粗相を繰り返す場合は、そこにトイレを置くか、猫の食事場所にして様子をみてください。そのほか、洗濯したてのものに粗相するのは自分のニオイがなくなっているのが不安なのかもしれません。洗濯物をさっさと片付ければよいですが、できなければ自分が着用している服などをその上に置くと粗相しなくなることもあります。
 

ガイドの猫砂遍歴と使用感

様々なタイプの猫砂が販売されていますので、どの砂を選べばよいか迷われるかも知れません。ガイドも今まで様々な猫砂を試してきました。皆様の参考になるかどうかわかりませんが、ガイド宅の猫砂遍歴を書いてみます。

ガイドが猫と暮らし始めたのは今から40年以上前……。その当時に、猫トイレ・猫砂という商品が販売されていたかどうか記憶が定かではないのですが、我が家ではお煎餅が入っていた平たい大きな空き缶に新聞紙を敷いて、その上に細かくちぎった新聞紙を入れたトイレを使っていました。当時同居していた猫は、問題なく新聞紙トイレを使ってくれていましたが、かなり強いニオイが発生し、今になって思うと猫も不愉快だったんじゃないかなと陳謝です。

その後は、長く鉱物系の細かい形状の固まるタイプの猫砂を使いました。ぎゅっと固まり片付けやすい、ニオイが(新聞紙に比べると)少ない、そして猫にとっては一番好ましい形状の猫砂なので猫は使用感がよかったでしょうが、同居する方としては……。袋から砂をトイレに入れると、もうもうと立ち上る砂の粉、猫の手足について外に飛び散る砂、トイレを盛大にかき回すのが好きな子は1回トイレを使うたびに砂を半分くらいトイレの外にかき出す、などなど。そして、この鉱物系の砂は非常に重くて、購入して持ち帰るのもゴミの日も筋肉痛に……。もっと他によい商品はないか?と猫砂ジプシーを繰り返しました。

シリカゲルの砂は、丸い形状のものが多いので部屋の中の砂の飛び散りが多い、またオシッコをした時にパチパチッと音が出て、それに驚く猫がいたので却下。

洗える砂は経済的でエコと試しましたが、毎日洗って天日干しができればよいですが、曇りや雨が続くと使用済みの砂がたまってしまい、そのうち庭石になってしまいました。

紙の砂、木の砂は、我が家の猫がメインクーンという大型の長毛種なので一度で懲りました。というのも、紙や木の砂は軽いので購入時はよいのですが、大きな猫がトイレでかき回すとあっという間に外に飛び出してしまう、そして、砂が静電気で長毛の毛にまとわりついて、なんでこんなところにまで砂が落ちてるの?という場所まで砂をばらまくなど、うちの猫には向いていなかったのです。

オカラの砂は、オカラの砂のニオイをわたしが生理的に受け付けずNG。

猫砂を発売しているメーカーは、猫の排泄物のニオイ軽減に対応した商品をたくさん開発していますが、わたしにとってはニオイ以前に、猫がかき回しても砂が外にこぼれにくい、ある程度以上の重量と砂の粒の大きさの商品を待ち望んでいました。そして近年、木のチップ、シリカゲルなどを原料とするサンドが発売されて、現在はこのタイプをメインに使用しています。どちらの商品も大きめの粒で散らばりが少なく、散らばっても粒が大きいと掃除しやすい、オシッコは透過し下のマットやシーツにたまるので汚れたら交換、ウンチはビニール袋で拾い捨てるだけ、ニオイも気にならずとても使いやすいです。猫的には、本当は細かい砂状の猫砂が一番好みだと思いますが、この大きめの粒でも馴れてしまえば違和感なく使ってくれています。

番外編として、猫の中には砂がないトイレを好むタイプもいて、我が家にはペットシーツだけのトイレも設置してあります。1回使って汚れると他の子が嫌がるので、そのたびに交換しなければなりませんが、このペットシーツだけのトイレにたどり着くまでには試行錯誤がありました。我が家の1頭がある日、突然床の上でオシッコするようになったのです。砂が気に入らないのか、と他のものを試してみましたが、つるつるの床をペシペシかくと、そこに座ってじょわ~~。これはコマッタ! で、その床にペットシーツを敷くと、その上でしてくれます。もしかして砂がイヤなのか?とトイレにペットシーツだけを敷いておくと、無事にその中でしてくれるようになり解決。猫のトイレ哲学は様々ですが、こういうタイプの猫もいるようです。

猫は基本的に決まった場所で排泄する習慣のある動物ですが、外の猫を観察していると、必ずしも決まった場所をトイレとして使っているとは限りません。猫のトイレトラブルの相談をよくいただきますが、置く場所を変えたり、砂やトイレを変えてもトイレ以外での粗相が治らない時は……その猫は特別頑固なトイレ哲学を持っているのかも知れないし、また何らかの理由でトイレの存在を拒否するようになったのかも。猫特有の気まぐれ・その日の気分など、人間的な発想や思考で考えても理解できない理由があるのかも知れません。なんにしても、一度トイレをした時に気持ちがよいを感じた場所では何度もしますので、もともとの猫トイレがその猫にとって使用感の良いものであれば、そこを使い続けてくれるはずです。まずはトイレを清潔に!です。

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※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。