猫がトイレに行く回数が多いなと感じたら、疑いたい泌尿器系の病気。原因は様々ですが、放っておくと命に関わることもありますので、猫の様子がおかしいと感じたらすぐに動物病院にご相談下さい。

猫の病気第1位は泌尿器系の病気

猫が罹ったことのある病気、ダントツ1位はこの泌尿器系の病気です。オシッコを作って出すまでの器官が泌尿器で、そのうち腎臓や尿管は上部尿路、膀胱や尿道はオシッコが出る出口に近いという意味で下部尿路と呼ばれます。猫に多くみられる下部尿路疾患(FLUTD)には、尿路結石、膀胱炎、尿道炎、膀胱周辺の腫瘍、尿道閉塞、尿路感染症など、様々な病気があり、その中でも特に多いのが、膀胱炎と尿路結石です。

・尿路感染症:膀胱炎、尿道炎など
細菌や結石などで膀胱や尿道で感染が起き、炎症を起こし、オシッコが出るときに痛みを伴ったり、不快感、残尿感があって何度もトイレに行きたがります。

・尿石症
尿中でマグネシウムやカルシウム、アンモニア、尿酸、シュウ酸などが結合して結晶化し、それが大きくなると結石になります。猫のオシッコが濃いことも結石ができやすい原因といわれています。オシッコがアルカリ性に傾くとできるストルバイトと、酸性に傾くとできるシュウ酸カルシウムの2種類があります。腎臓や膀胱や尿道に溜まった結石の大きさや位置などによって詰まることでオシッコが出にくくなったり、出なくなったりします。
トイレに籠もっていたら要注意!

トイレに籠もっていたら要注意!


いつもと違う?と感じたらまず観察

猫の様子がいつもと違う? と感じたら、まず猫がトイレに行く様子と水の飲み方を観察しましょう。多くの飼い主さんは、猫がいつも以上に下半身を念入りにグルーミングする様子や、何度もトイレに出入りする姿でおかしいと気づきます。さっきもトイレに入ってたのに、また砂をかいている、トイレの中で何度も方向を変えたり、しゃがんだまま息んでいるけれど何もでていない感じ、など目撃したらすぐに動物病院に連絡です。何度も息む姿を見ることで、便秘と勘違いする人もいるようですが、もし便秘だとしてもそのままにしないでください。

病気によって、血尿になったり、数滴しかでないのに何度もトイレに行く、またトイレ以外で粗相をしたり、オシッコの色やニオイもいつもと違って感じるかもしれません。治療が送れると、食欲がなくなり、おう吐したりうずくまり動かなくなって、尿毒症や膀胱破裂、腎不全などで死に至ることもあります。
水をたくさん飲ませましょう

水をたくさん飲ませましょう



なぜ冬が危険なのか?

日頃から水分摂取量が少ない猫は、寒くなるとますます水分を摂りたがらなくなります。秋から冬にかけて身体に脂肪を蓄積しようとする本能の働きで、いつも以上に食べて太ってしまう、そして寒いので活動量が減るし、トイレにも億劫がって行かない、などが大きな要因です。たくさん水を飲んで、身体を動かせば、結晶は結石になる前にオシッコと一緒にで外に出ますが、動かない、水を飲まないとなるとオシッコが長く体内に留まり、下部尿路疾患のリスクが高まります。
毎日身体を動かしましょう

毎日身体を動かしましょう



下部尿路疾患のリスクを減らす工夫

猫にたくさんお水を飲んでもらう、1日2~3回、5分程度で構わないので猫をおもちゃで釣って身体を動かす、トイレをいつも清潔にして、猫が行きやすい暖かい場所に置くなど、先ほどの危険因子を減らす工夫をしましょう。
肥満にご注意!

肥満にご注意!



腎臓に長持ちしてもらおう!

下部尿路疾患は年齢に関係なく、若い猫でも発症しますが、特に運動量が減ってくる2~3歳以降、そして肥満などが加わると発症リスクが高くなります。

イエネコの祖先は砂漠で暮らしていたリビアヤマネコだといわれています。昼間は暑く、夜になると気温が下がる激しい寒暖の差や、乾燥した環境を生き抜くために、猫の身体は少ない水分でも維持できるように、体内から排出する水分をきわめて少なくするために濃縮したオシッコをします。この濃縮尿を作るために腎臓はいつもフル活動しなければならず、大きな負担がかかり機能障害を起こしやすくなります。どんなに健康な猫でも腎臓の機能は7歳頃から低下してくるので、高齢になればなるほど、腎臓の病気が増えます。上部泌尿器である腎臓の病気として、この慢性腎不全や急性腎不全が知られています。

泌尿器系の病気に罹ると、腎臓にも大きな負担がかかりますので、病気に罹らない工夫をして猫の腎臓を守って下さい。

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※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。