西方、揚子江中、上流域の四川盆地一帯の料理
激辛!四川火鍋。口をピリピリさせながらも箸が止められないおいしさ
海から遠く離れた内陸部に位置するため、食品の保存法が発達しており、ザーサイなどの漬物や海産物の乾物、豆腐などの加工品が多く使用されているのが特徴。そのため、料理に変化をつけるため香辛料を使ったり、味付けが多彩になっています。
西方系の料理を出すレストランは、店名に「浙江菜」「滬菜」「淮揚菜」などの文字が含まれる場合が多くなっています。
西方系料理1 四川料理
地元の麻婆豆腐は本当においしい
辛いことで有名な
四川料理は、胡椒や山椒など痺れるような辛さ「麻(マー)」と、唐辛子の辛さ「辣(ラー)」が味付けの基本。四川の盆地特有の酷暑を乗り切るために、発汗をうながす刺激的な味付けが作り上げられたと言われています。また、四川は「天府の国」と呼ばれる中国屈指の穀倉地帯であることから、肉類、川魚や野菜など、様々な食材を使った独創的なメニューがあります。一度ハマルとやみつきになるのが四川料理で、近年、激辛火鍋が中国の冬の定番となっています。
代表的な料理:麻婆豆腐、回鍋肉、担担麺、棒棒鶏、水煮魚(淡水魚の唐辛子煮)、火鍋など
西方系料理2 湖南料理
唐辛子の漬物がのった醤椒蒸魚頭
日本で辛い中華といえば四川料理ですが、実は中華でも最も辛いと言われるのはこの湖南料理なんです。四川の辛さが「麻辣」なのに対して、湖南のは酸味の「酸(スワン)」と、唐辛子の辛さ「辣(ラー)」の味付け。そして、山の珍味や干し肉の燻製を多く使っているというもの特徴のひとつ。毛沢東の故郷であることから、湖南料理レストランに「毛家~」と名づけられていることがよくあります。
代表的な料理:左宗棠鶏(鶏肉の唐辛子炒め)、富貴火腿(富貴ハムの蜜蒸し)、黒臭豆腐など
西方系料理3 雲南料理
気鍋鶏。水蒸気の循環で、旨味を抽出
雲南はベトナム、ラオス、ミャンマーと国境を接していることから、中国料理の中でもエスニックな雰囲気を持っています。中国有数のキノコの産地で、山の幸をふんだんに用いていたこってりした味。香辛料をふんだんに使っていますが、四川料理のような激辛ではないので、辛いものが苦手な人でも安心です。日本の食文化のルーツと言われています。
代表的な料理:過橋米線、雲南火腿(雲南ハム)、気鍋鶏(鶏の気鍋スープ)など