東方、揚子江下流域の料理
魚介類を豊富に使った東方系料理は、日本人に馴染みやすい味
醤油や砂糖で調理したコクのある甘い味が特徴。揚子江の下流で海に近く湖沼が多いことから、エビ、カニ、魚などの海鮮料理が多くなっています。また、中国有数の米作地帯を控えることから主食は米で、それを主原料とした紹興酒も有名です。
東方系の料理を出すレストランは、店名に「浙江菜」「滬菜」「淮揚菜」などの文字が含まれる場合が多くなっています。
東方系料理1 上海料理
一度は食べてみたい本番の上海蟹
上海料理は揚子江下流の地方料理が総合されたもので、いわゆるこの地方一帯の“オイシイトコドリ”な料理。日本でも有名な上海蟹など、魚介類が豊富に使われているのが特徴です。醤油や砂糖で調理した料理が多く、日本人には親しみやすい味付けになっています。19世紀末に租界として発展の幕開けをしたという歴史的背景から、西洋料理や日本料理のエッセンスを巧みに取り入れた斬新なメニューも少なくありません。上海料理は時代に合わせて進化する料理なのです。
上海料理の詳細は
「上海の中華料理(屋台・レストラン)」記事を参照ください。
代表的な料理:上海蟹、小龍包(ショウロンポウ)、排骨麺(パイコー麺)など
東方系料理2 杭州料理
口の中でとろける東坡肉 (豚の角煮)
その昔、南宋の都だった杭州には北方から多くの料理人が集まり、杭州料理を作り上げました。上海料理のルーツとも言われます。素材を活かしたさっぱりした味と、柔らかさが特徴で、西湖をはじめとする周辺の湖や川でとれる魚介類を、煮込みや蒸し焼きなどの料理手法で仕上げたものが多く、日本人の口によく会います。
代表的な料理:東坡肉(トンポーロー)、西湖醋魚(淡水魚の甘酢かけ)、龍井蝦仁(川蝦の龍井茶炒め)など