癒しの旅/東京の美食旅

天然うなぎを食べに行く!その3~東麻布

養殖ではやはりかなわない、天然うなぎ独特の風味。うなぎを焼けば、香りで産地がわかる──そんな職人が作り出す、昔ながらの江戸前蒲焼きを味わいに行きませんか?

執筆者:岩佐 十良

梅雨明けが待ち遠しい今日この頃。本格的な暑さがやってくる前に、うなぎを食べて元気になりませんか?
今では本当に手に入りにくくなった、天然うなぎ。それでも天然にあくまでもこだわり、昔ながらの江戸前のうなぎの味を守り続ける名店が、東麻布にあります。

「焼けば香りで産地がわかる」
こんな職人技も天然ならではの香りあってこそ


野田岩 うな重
昔ながらの江戸前の味、うな重は2,100円~。肝吸と漬け物、さらに口をさっぱりさせるための大根おろしが付いてくる。
「まだ天然ものが流通していた、私が小さかった頃、問屋は見ただけでどこで獲れたものかわかると言っていました。私は見ただけじゃわからないけど、焼いたときの香りでわかる。獲れた場所によって、香りが違うんです」

 こう語るのは、江戸末期創業という老舗うなぎ店『野田岩』の五代目、金本兼次郎さん。

『野田岩』では、今でも春から秋まで、白焼きは天然うなぎだけを使用している。メニューに載っている名称は『志ら焼』。“志”の文字に、店の思いが詰まっている。

「香りといい、味といい、最もうなぎの味がわかる。だから、天然の揚がらない冬は志ら焼はお出ししていなかったんです」

野田岩の隠れた名物
ウナギの白焼きとキャビア!?

 それが、 養殖でもいいから食べたい という客が多かったために、冬場は養殖で出すようになった。つい2~3年のことだ。それだけ『志ら焼』の人気が高い理由は、味もさることながら、この店の隠れた名物、“志ら焼キャビア乗せ”にもあるのだろう。メニューにさりげなく載っている『キャビア』を頼んで、志ら焼と一緒に味わうのだ。

「最初はちょっとした遊びだったんですよ。
 30年前くらいにワインを飲み始めた頃に思いついて試したら、意外と合ったんです」


うなぎとキャビアを合わせる? 昔ながらの江戸前の味を守りながら、新たな味も求める名店「野田岩」。『志ら焼キャビア乗せ』の詳細は次のページで。
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