癒しの旅/九州の美食旅

一度は見たい!日本一の花景色と美食の旅-3

今回は少しだけ趣向を変えて、こんな目的の旅はいかがでしょうか? 一度は見に行きたい、日本一の花景色を歩く旅。連休には足をのばして、樹齢600余年の荘重な大藤を眺めに、福岡・黒木町へ。

執筆者:岩佐 十良

一度は見に行きたい、日本一の花景色を歩く旅の第3回。
春の風景を彩るのは桜だけではありません。なよらかに房を垂らす日本一の藤棚を仰ぎに、福岡へ。

600年以上の昔から人々を
楽しませ続けてきた藤棚


黒木の大藤
樹齢612年という藤は、花のボリュームはもちろん、根もうねり上がっており迫力満点。藤棚の下を歩けば、芳しい香りに包まれる。
 優雅で気高く、そして艶めいている藤。特に春日大社や平等院の藤棚が有名だが、いずれも藤原氏ゆかりのもの。

 全国の寺社仏閣に藤棚が多く見られるのは、藤が“栄華”や“浄土”の象徴として、人々の心に刻み込まれたためだろうか。

 福岡と熊本の県境、清流と山に囲まれた黒木町。ここにも、素盞嗚(すさのお)神社の境内いっぱいに枝をはり、棚をつくっている藤がある。

いや、境内だけには収まらず、国道にまで迫り出し立派なトンネルとなっている。

応永2年、後征西将軍が
自ら植栽したという


黒木の大藤
今年は天候の影響で若干色づきが良くないとのことだが、それでもこの優美な姿は一度目にする価値あり(写真は去年の様子)。今がまさに花盛りだそうなので、連休前半でおでかけになってみては?
 『黒木の大藤』は応永2年(1395年)、後征西将軍、良成親王が手ずから植えたという。

 昭和3年、国の天然記念物に指定された。樹齢612年の老大樹だが、毎年美しい花を咲かせている。藤棚の広さは2700平方メートル。棚から1m以上の花房をいっせいに枝垂れさせる様は、まるで薄紫色の雨が降り注ぐかのよう。

 かつては、久留米と日田を結ぶ旧豊後街道別路の要所であった黒木。往来する旅人たちを楽しませただろう大藤は、時を経てなお、人々を魅了し続ける。

■素盞嗚(すさのお)神社の大藤【福岡・黒木町】
素盞嗚神社の境内に広がる藤棚は国指定天然記念物。天然記念物の藤はほかにもあれど、600余年という樹齢、約2700平方メートルという棚の広さ、そして花の美しさと、三拍子揃うものはなかなかない。

毎年4月中旬~5月上旬にかけて、素盞嗚(すさのお)神社境内で『黒木大藤まつり』が開催される。今年は4月30日までの予定(気候により延長もあり)。

アクセス/JR羽犬塚駅から黒木・矢部行きバスで約40分
九州自動車道八女ICまたは広川ICから国道442号経由で約30分。福岡市街から約1時間30分

お問い合わせ/0943-42-1112(黒木町役場まちおこし課)、0943-42-9190(黒木町観光協会)
URL http://www.town.kurogi.fukuoka.jp/

大樟(くす)がシンボルとなっている津江神社から、居蔵造の建物が建ち並ぶ町並み、矢部川に沿う道沿いのシバザクラなど、周辺にはぶらり散策をするのにおすすめの場所もたくさん。小1時間ほどでゆったりと楽しめる。

さて、花を巡る散策のあとに立ち寄るなら、こんなお店はいかがでしょうか? 次のページでご紹介します。
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