寺・神社/宿坊に泊まる

イタリアン精進と2009年の善光寺のご開帳(2ページ目)

善光寺にはたくさんの宿坊があり、それぞれに工夫を凝らした精進料理がいただけます。今回はイタリアンをアレンジした料理で人気の玉照院をクローズアップ。七年に一度の善光寺のご開帳と合わせてお出かけください。

吉田 さらさ

執筆者:吉田 さらさ

寺・神社ガイド


六味三徳

和の精進料理の一例(写真協力 玉照院)
こちらは玉照院の和の精進料理「六味三徳」です。野菜、こんにゃく、大豆製品など、使われている素材は前のページの「THE SHOJIN」と同じでも、ずいぶん見た感じが違いますね。

六味とは
素材を活かして、「苦味」・「酸味」「甘味」「辛味」「鹹味」「淡味」の六つの味をうまく調味すること。鹹味とは、塩の味のことです。普通の和食では、苦い、すっぱい、甘い、辛い、しょっぱいの五つの味を基本としますが、精進料理では、それに「淡い味」、すなわち、素材そのものの味を生かす淡い味付け、を加えて六味とします。

「三徳」とは

軽軟(あっさりと柔らか)
浄潔(きれいでさっぱりしていること)
如法作(作法・調理方法にのっとった一定の手順で作ること)

精進料理は
作ることも食べることも修行

うなぎもどき(写真協力 玉照院)
精進料理は、一見シンプルなように見えて、実は、とても手間がかかる料理です。調理の際には、仏教独特の作法もあります。もともと、精進料理を作ることは、僧侶の修行のひとつだったからです。したがって、座禅などの修行体験の一環として食事をいただく場合、お寺によっては、食べる側にもたいへん細かな作法が要求される場合もあります。

それは、ものを食べることは生命の根源であり、また、植物であっても命があるため、それを犠牲にして今の自分があるということを忘れてはいけないという仏教の教えに基づいています。つまり、料理を作ることも食べることも修行だというのが、精進料理の基本なのです。

多くの宿坊では、そのような厳しい作法は要求されませんが、この基本を心に留めて、食前食後に「いただきます、ごちそうさま」。出されたものはなるべく残さない、食器を洗う人のことを考えて、なるべくきれいに食べるなど最低限のことを心がけたいものです。

●玉照院さんのホームページはこちらです。お料理や建物の写真は、このホームページからお借りしました。

●次は宿坊、玉照院の宿泊スケジュールなどです。
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 5
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます