御柱に乗りたかった
岡本太郎さん
さて、お話は、諏訪大社最大のイベントである御柱祭に戻ります。「芸術は爆発だ」の名セリフで知られるアーティストの岡本太郎さんは、生前、御柱祭をこよなく愛し、最大の見せ場であり、もっとも危険とされる「木落とし」(御柱に乗って急坂を滑り降りる)の際に、自分も乗りたいと願ったそうです。しかし、地元の人に「不慣れな人が乗ると、死ぬ危険があります」と止められ、「死んで何が悪い。これは祭だろう?」とおっしゃったとか。
下社の木落としの様子。命知らずの人々が、御柱にまたがって崖をすべり降りる |
結局、岡本さんの願いは叶いませんでしたが、「これは祭だろう?」も、「芸術は爆発だ」と並ぶ名言ですね。岡本さんにとって、御柱祭は、命を奉納しても本望と思えるほどの存在だったようです。
●岡本さんは、2004年の御柱祭で、遺影の形で木落としに参加することができたそうです
縄文式土器に衝撃を受ける
御柱祭で使われる巨大な縄。まるで巨大な蛇がとぐろを巻いているようだ |
それから岡本さんは縄文文化を追い続け、御柱祭に行き着いたようです。男たちが命を賭して崖を滑り降りる様子に、縄文式土器と同じ、燃え上がる原初的なパワーを感じたのでしょうか。
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