寺・神社/鎌倉の寺・神社

仏像との出会いを求め、夏の鎌倉徹底歩き(2ページ目)

一般に、鎌倉には、奈良や京都ほど見ごたえのある仏像は少ないとされますが、今回は、その定説を覆すべく、鎌倉を徹底的に歩いてよい仏像を探してみました。鎌倉国宝館とグルメ情報もお見逃しなく。

吉田 さらさ

執筆者:吉田 さらさ

寺・神社ガイド

覚園寺は時間厳守

覚園寺は、円覚寺や建長寺などと並ぶほど見ごたえたっぷりの寺なのですが、知名度がさほど高くないのは、拝観方法が少し難しいからかも知れません。何しろ、毎日、10時から15時までの毎時ごとに拝観を受付け、それ以外の立ち入り不可。天候が悪いときは拝観中止もあります。だから、ちょっと思いついて立ち寄るのではなく、本気で仏像を拝みたいと思う人にだけ来て欲しいということみたいです。仏ちゃんとしては、もっとも望ましい目的地ですね。
ご由緒については、こちらをお読みください
境内での写真撮影も不可ですが、雰囲気も実によいです。鎌倉の地形の特徴に谷(やつ)というものがあります。山と山の間の深く入り組む谷で、それがそのまま、この寺の境内となっています。各種の樹木が茂る谷はたいへん奥深く、どんどん突き進んでみたくなりますが、ここではそれも不可。案内人の方に従うのがお約束で、個人行動は厳禁です。

愛染堂

愛染堂までは、写真撮影可です
こちらには、明治初期に廃寺となった別の寺から移された愛染明王像があります。愛染明王は、名前から想像されるように愛の仏様です。煩悩〈愛欲や欲望、執着〉を悟りに変えて、菩提心(悟りの境地)にまで導いてくださるのです。そのため、昔から、女性、特に芸者さんなどに信仰されました。また、愛染=藍染という語呂合わせから、着物関係、ファッションやアパレル関係の方も、よくお参りされるようです。

薬師堂

覚園寺のもう一つの見どころは、山門手前にあるこの名木(サクラかそれともウメ?) もちろん今回の散歩会ではなく、2008年4月7日に撮影した写真です
寄棟造、茅葺きの実に素晴らしい建物です。こちらの寺は真言宗泉涌寺派ですが、建物の形は禅宗様式。これは、この寺の創建に深くかかわった北条氏が禅宗を深く信仰していたことや、当時、禅宗式の建物が流行していたことに起因するようです。そういえば、この寺の宗派の本山に当たる京都の泉涌寺の建物も禅宗様式ですね。

内部には、薬師如来と日光、月光の両脇待、薬師如来の眷属である十二神将と、きっちり基本を守っています。右手奥には、廃寺になった他の寺から移された美しい阿弥陀如来像もあります。薬師如来は、主に病気を中心とした現世の苦から人を救ってくださるので、手に薬壷を持っているのが一般的。日光、月光は、その手助けをする役目。日光様は日勤の看護婦さん、月光様は夜勤の看護婦さんと思っていただけばよいです。

薬師様は、頭部は鎌倉時代、体は室町時代ごろの作と推定されているようです。日光、月光も室町時代ごろと推定。薬師三尊像と言えば、奈良の薬師寺のものが代表例ですが、あちらは奈良の白鳳時代の作。同じ種類の仏像でも、時代が違うと、ずいぶん作風も違います。

中でもわたしが気になるのは、月光菩薩の光背の飾りになっている飛天の姿。まるでルネッサンス絵画の天使みたいな金色の羽が生えている!その上お顔立ちも、どことなく西洋人っぽく、どんな経緯で造られたのか、すごく気になります。どういう事情でこうなったのかをご存知の方は、ぜひご一報ください。

地蔵堂その他

黒地蔵と呼ばれる黒い地蔵菩薩の像があります。これもなかなか美しく、仏ちゃん好みの逸品でした。毎年8月10日には、黒地蔵のご縁日があり、信心深い人たちで賑わいます。地蔵菩薩は、迷える魂を救う役目を持つので、自分は煩悩いっぱいで死後極楽に行くのは難しいだろうという自覚のある人は、今のうちからせっせとお参りしておきましょうね。

拝観は10時、11時、12時、13時、14時、15時の6回
8月中と12月20日~1月7日休
天候の悪い日も、予告なく拝観中止になります!

次のページは、セレブ好きの杉本寺と、地元でなければ食べられない湘南名物生シラスのお話
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