日本の仏教は
実は独特である
韓国では、お釈迦様の誕生日(潅仏会、かんぶつえ)が国民の休日となり、盛大なお祭りが行われる(韓国、開心寺にて撮影) |
どんな点がそうなのか。
まず、これほどたくさんの寺や仏像があるにも関わらず、日本には、真の意味での仏教徒があまりいないこと。タイやスリランカなどでは、仏教は国教に近い存在で、国民のほとんどが仏教徒です。また、韓国では、まず生活習慣としての儒教があり、それ以外に、「わたしはキリスト教徒なので教会に行きます」とか「自分は仏教徒なので寺にお参りします」という形で、各人が(または各家庭が)個別の宗教を持っています。
日本には、6世紀に仏教が伝来した。奈良、山の辺の道に、「仏教伝来の地」の石碑もある。日本の仏教はここから始まり、その後、日本ならではの発展を遂げた |
日本の仏教には、それ以外にも、他の国の仏教とは違う特色がたくさんあります。それは、長い歴史の中でいろいろに変容してきたからです。日本の仏教とほかの国の仏教のどこが違うかを知っておけば、寺めぐりが、いっそう興味深くなります。
次のページはお坊さんが妻帯し、肉食もするという不思議な現象と、「葬式仏教」と揶揄される日本仏教の現状についてです。