寺・神社/中国・四国・九州の寺・神社

1月中旬から咲き始め。太宰府天満宮の飛梅(2ページ目)

天満宮や天神様は梅の名所として有名です。その元締めに当たる太宰府天満宮には、菅原道真を追って京都から九州まで飛んできたという飛梅があり、主がなくとも春を忘れないために、そろそろ咲き始めます。

吉田 さらさ

執筆者:吉田 さらさ

寺・神社ガイド


まずは牛にご挨拶

牛の像は、天満宮内に何ヶ所かある
天神さんと言えば牛がつきもの。太宰府で亡くなった道真さんのご遺体を都まで送り返そうとすると、それを乗せていた牛車を引く牛が、動かなくなりました。ならば道真さんはここにとどまりたいのだな、ということで、この地に廟が建てられました。それが太宰府天満宮の始まりです。

そのほかにも、道真さんは丑年の生まれである、牛に命を救われたことがある、などの伝承もあり、各地の天満宮には、必ずどこかに牛の像があります。多くは「撫で牛」と呼ばれ、その頭を撫でると頭脳明晰になる、自分の体の具合が悪いところを撫でるとご利益がある、などと言われます。そのため、どこの天満宮でも、牛はつるつるに光っています。

手水舎は巨大な一枚岩

門をくぐる前に手を清める手水舎。この水盤は、天満宮の背後にある霊山の宝満山から切り出された一枚岩で造られており、わが国では類を見ない大きさとか。確かに巨大で、細工される前はどれほど大きな岩だったかが偲ばれます。

三つの太鼓橋を渡ってご本殿へ

心という文字を模した池には、太鼓橋、普通の平らな橋、太鼓橋の順に、三つの橋が架かっています。これは、過去、現在、未来の三世を表します。
太古橋、平らな橋、太鼓橋と、三つの橋が続く


どっしりとした立派な楼門
その向こうに立派な楼門があり、そこをくぐるとご本殿。両側に梅の木がありますが、向かって右にあるのが「飛梅」なので、お間違えなく。本殿のまわりの回廊には、天満宮ならではの学業のお守りや梅酒のお神酒などが売られています。お神酒も美味しいようですが、こちらで授与される梅干も、すぐに売れてしまうほど人気らしいです。

梅干の種とひょうたんに
願いを込めて奉納

集めておいた梅干の種を、ビニールの袋に入れて奉納する
こちらには、珍しいものを奉納する場所が二つあります。ひとつは梅干の種、もうひとつはひょうたんです。

梅干の種については、昔から、天神様の霊が宿ると言われており、粗末に扱ってはいけないということで、集めておいて、こちらに奉納したのだそうです。この納めどころは、江戸の天保時代に建立されたものです。

のぞいてみると、今でも、梅干の種を奉納する人が多いことがわかりました。種をそのまま投げ入れるのではなく、ビニールの袋に集めて入れるのがお作法のようです。


大過なく厄を乗り切った人々が奉納するひょうたん
ひょうたんは、「厄晴れひょうたん」と呼ばれます。天神様がこよなく愛された梅の木の下で、ひょうたんに入れたお酒を飲むと、不思議に厄が晴れると言われており、こちらで厄払いをお願いすると、このひょうたんを授与されます。厄が明けたら、こちらに奉納するので、こんなにたくさんのひょうたんがあるのです。

●太宰府天満宮のホームページはこちらです。
●梅の見どころや開花情報はこちらでご確認ください。種類によって開花時期が違い、1月から3月まで楽しめます

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