平安時代のお不動さんもある
高幡不動尊というからには、ご本尊はもちろん、不動明王。こちらでも、不動堂の中で、1日に数回の護摩祈祷が行われています。護摩祈祷とは、お不動さんの前で行う特別な祈祷で、護摩木と呼ばれる木の札に願いごとを書いて火にくべるのが特徴です。平安のお不動さんは、3m近い巨像(写真提供 高幡不動尊金剛寺) |
●護摩とお不動さんに関する詳しい説明は、こちらにあります。
お不動さんの特徴は片目をつぶっていることと、片方に垂らしたお下げ髪です(写真提供 高幡不動尊金剛寺) |
平安時代のお不動さんの手には、五色の紐がかかっており、お堂の外側につながっています。拝観料を払って中に入らずとも、外からも、平安のお不動さんにお参りできる。そういう心遣いです。それにしても、このお不動さんのお顔の立派なこと。さすが、日本の仏像文化が爛熟した平安時代の作品です。東京都内でこれだけの文化財を見られるお寺は、めったにないですね。
その他の文化財も充実してます
経画阿弥陀三尊像(写真提供 高幡不動尊金剛寺) |
そもそも、昔の江戸であった現在の東京中心部には、平安時代からの寺は存在しません。江戸は、徳川家康が幕府を置く以前は、多くの場所が湿地だったのです。しかし、高幡不動尊がある多摩地区は、江戸時代よりはるか以前から開けていたので、こちらの方に古い寺があるのは当然なのです。
お寺でもらうパンフレットなどを読むと、伝承によるたいへん古い由緒が書かれていることがあります。しかし、それはあくまで、「…と伝わっている」ということで、ここ高幡不動尊のように、本当に平安時代から続いていることが学問的に実証されている寺は、あまりないようです。そういう意味でも、この寺は、東京人の財産なんですね。
鳴り龍もあります
天井の龍の絵の下で、ポンと手を叩いてみましょう(写真提供 高幡不動尊金剛寺) |
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