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紅葉情報一番乗り!高幡不動尊の秋イベント(2ページ目)

いよいよ秋の行楽シーズン。遠くに出かけずとも、東京郊外のお寺にも、楽しいイベントがたくさんあります。とりわけお勧めは高幡不動尊。京都にも負けない見事な紅葉や幻想的な萬燈会にお出かけください。

吉田 さらさ

執筆者:吉田 さらさ

寺・神社ガイド


平安時代のお不動さんもある

高幡不動尊というからには、ご本尊はもちろん、不動明王。こちらでも、不動堂の中で、1日に数回の護摩祈祷が行われています。護摩祈祷とは、お不動さんの前で行う特別な祈祷で、護摩木と呼ばれる木の札に願いごとを書いて火にくべるのが特徴です。
平安のお不動さんは、3m近い巨像(写真提供 高幡不動尊金剛寺)

●護摩とお不動さんに関する詳しい説明は、こちらにあります。

お不動さんの特徴は片目をつぶっていることと、片方に垂らしたお下げ髪です(写真提供 高幡不動尊金剛寺)
不動堂のお不動さんは、現在は境内の某所に鎮座する平安時代の巨大なお不動さんを修復する際に、忠実にそれを再現した新本尊です。平安時代のお不動さんは、奥殿の寺宝展示場に展示されています。こちらは300円の拝観料が必要ですが、高幡不動は、東京の寺としては有数の文化財の宝庫ですから、お金を払っても、見る価値があると思います。

平安時代のお不動さんの手には、五色の紐がかかっており、お堂の外側につながっています。拝観料を払って中に入らずとも、外からも、平安のお不動さんにお参りできる。そういう心遣いです。それにしても、このお不動さんのお顔の立派なこと。さすが、日本の仏像文化が爛熟した平安時代の作品です。東京都内でこれだけの文化財を見られるお寺は、めったにないですね。


その他の文化財も充実してます

経画阿弥陀三尊像(写真提供 高幡不動尊金剛寺)
高幡不動には、これ以外にも、平安時代から江戸時代までの貴重な文化財が数々あります。それはなぜかというと、この寺が、実際に平安時代から現在に至るまで、この地で続いてきた寺だからです。それは、東京都内ではまれに見ることです。

そもそも、昔の江戸であった現在の東京中心部には、平安時代からの寺は存在しません。江戸は、徳川家康が幕府を置く以前は、多くの場所が湿地だったのです。しかし、高幡不動尊がある多摩地区は、江戸時代よりはるか以前から開けていたので、こちらの方に古い寺があるのは当然なのです。

お寺でもらうパンフレットなどを読むと、伝承によるたいへん古い由緒が書かれていることがあります。しかし、それはあくまで、「…と伝わっている」ということで、ここ高幡不動尊のように、本当に平安時代から続いていることが学問的に実証されている寺は、あまりないようです。そういう意味でも、この寺は、東京人の財産なんですね。

鳴り龍もあります

天井の龍の絵の下で、ポンと手を叩いてみましょう(写真提供 高幡不動尊金剛寺)
境内奥には、大日堂という立派なお堂もあります。こちらも拝観料が200円かかりますが、「鳴り龍」という優れた文化財があるので、一度はごらんください。鳴り龍とは、天井に描いてある龍の絵の下でポンと手を叩くと、音が部屋全体に響き渡るしくみで、日光東照宮などにもあります。実際に、わたしもここで手を叩いてみました。なかなかいい音がしました。コツは、手を少し丸くして中に少し空気を入れて叩くことみたいです。あなたもぜひトライしてみてください。

次のページは新選組と高幡不動尊の関係についてです。
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