NOBUの人気の理由は料理の味とシェフの人柄
松久信幸氏。その人柄に惹きつけられ、何度も店に足を運ぶ客も多いのだとか(C)Steven Freeman |
そして、もうひとつ忘れてはいけないのが彼の人柄。バイタリティに溢れる彼の生き方や気さくでフレンドリーな性格は、彼の創りだす味と同様に多くの人を惹きつけてやみません。しかし、いまや世界に名立たるトップシェフである松永氏も、そこに至る道のりは平坦なものではありませんでした。
彼は7歳のとき父をなくし、高校を卒業すると東京の寿司屋で住み込みの職人として修行を始めました。24歳のときにはペルーにレストランをオープン。ところが3年後、食材コストに関してパートナーと折り合いがつかず、しばらくアルゼンチンで働いたのちに帰国。その後、アラスカで出店することになりましたが、なんとオープンの日に店が火事になってしまい、一文無しになるというアクシデントに見舞われます。
それでも彼は苦境に屈することなく、ロサンゼルスの寿司屋で働きながら借金を返し、1987年にようやくビバリーヒルズにMATSUHISAをオープンさせました。レストランは大成功をおさめ、あっというまに多くの人に知られるところに。そして1994年にはロバート・デ・ニーロ氏が共同経営者として名を連ねるニューヨークのNOBUをオープン。その後も世界各地に次々と店舗を展開し、今に至るのです。彼の人柄や料理は、まさに彼の人生をそのまま反映しているような気がしますね。
アジア初店舗のNOBUインターナショナル香港
ソフトシェル・クラブロール。おにぎりのようなお皿もかわいらしい(C)Eiichi Takahashi - 'nobu' by Shibata Publishing Co. Ltd |
香港への出店に関しては松久信幸氏も、「ここ数年、アジアへの進出を伺ってきました。パートナー、リッチ、タイミング、全てにおいてインターコンチネンタル香港は最良の相手だと思っています」と意気込みを見せています。オープン前にも現地に頻繁に通い、細部にわたるまでこだわっていたのだとか。ちなみにユニフォームはヨージヤマモトとアデイダスのコラボレーション。スポーティなのに洗練されたユニフォームは訪れた際にぜひチェックしてみてください。オープンしてまもない今、いち早くでかけてみたい香港のとっておきレストランです。
■NOBUインターコンチネンタル香港
- 所在地:18 Salisbury Road, Kowloon, Hong Kong
- 交通・アクセス:インターコンチネンタル香港2階、地下鉄尖沙咀駅から徒歩5分
- TEL:852-2313-2323
- 時間:ランチ12:00~14:30、ディナー18:00~23:00、バーラウンジ~12:00~14:30・18:00~深夜
- 予算:ランチHK$300~(約4,600円)、ディナー約HK$1,000(約15,300円)
- ウェブサイト:NOBU