私はそうは思いません。お金を使おうとしない人のすべてが英語を諦めているわけではありません。むしろ、節約上手な英語学習者が増えつつあることの表れではないでしょうか。以下の3点から考えてみましょう。
・世界規模の節約志向とNOVAショック
・良質な無料英語教材の増加
・「留学しないで」は時代のキーワード
世界規模の節約志向とNOVAショック
英語にかかるお金はもはや“聖域”ではありません |
昨年大手英会話スクール「NOVA」が倒産したことによって、「高額な授業料を前払いして英会話スクールに通う」というこれまでの英語学習スタイルは、消費者に支持されなくなってしまいました。チケット制でなく、月謝制で安心感をアピールする英会話スクールも増えています。
これまでは「英語はお金がかかって当たり前」という共通認識があり、高額な授業料や教材費が社会に受け入れられてきました。しかし、先の見えない長い不況の中、英語にかかるお金も冷静に判断されるようになりつつあります。主婦感覚で見れば、数千円のお月謝だって決して安いとは思えません。英語に関する金銭感覚がようやく市民感覚に近づいてきたということなのです。
良質な無料英語教材の増加
iKnow!に体表されるような、良質な無料語学教材がどんどん増えていることも、英語にお金をかけたくない人が増えている一つの要因です。メルマガ、ポッドキャスト、動画、海外サイトなど、ネットの中には無料英語教材がたくさんあります。映画や海外ドラマも、レンタルDVDを使えば節約できます。「語学習はお金がかからない」は、もはや常識になりつつあります。
このように良質な英語が安く、すぐ手に入る環境が整っていることは、もはや留学にこだわる必要がないことにもつながります。
「留学しないで」は時代のキーワード
ほんの10年ほど前であれば、留学しなければ触れることのできなかった情報が、YouTubeなどを通じてリアルタイムで手に入るようになりました。私が学生時代には、ほんの少し国際電話をかけただけで、びっくりするような額の請求書が届きました。今はスカイプなどで無料で海外といくらでも話せるし、顔を見ながら授業を受けたりすることも可能です。このような時代に、高い燃料費や生活費を払って、様々なものを犠牲にしてまで海外留学したくないと考える人が増えることは当然の流れです。留学なしでも、工夫と努力を続ければ、国内だけで高い英語力が身につくことは多くの学習者が証明済みです。「留学しないで」は今や時代のキーワードなのです。
今回の意識調査では、「英語にかける時間」に関する調査がありませんでした。「英語にかける時間とお金の関係」が明らかになれば、お金をかけずに上手に学んでいる学習者の姿がもっとハッキリ見えてくるかもしれませんね。
「自分には無理」と諦めモードの学習者はどうすれば?
賢い消費者(学習者)が増えている一方で、8割以上が「英語に自信がない」と答えているように、英語を諦めてしまっている人が多いのも事実。そのような諦めモードの学習者はどのようにすればよいのでしょうか?!次ページで詳しく説明します。