日本人の“英語”に関する意識調査の驚きの結果
先月10月にカプランジャパンが行った日本人の“英語”に関する意識調査によると、過半数の人が「自身の英語力向上のためにお金をかけたくない」、8割近くの人が「留学したくない」と考えていることが分かりました。この調査は、小学校の英語教育義務化を2011年にひかえ、国民の英語教育への関心が高まっているといわれる中、実際に国民は英語に対してどのような意識を持っているのかを調べるために実施されました。その結果、大多数の日本人にとって英語の優先度は高くないという結果になりました。
英語学習者の厳しいおサイフ事情
「日本人の“英語”に関する意識調査(KAPLAN調べ)」より抜粋(本調査は、2008年10月に全国の10歳以上の男女計400名にインターネット上で実施) |
「あなたは、ご自身の英語力向上のために、1年間にいくらまでお金をかけられますか?」という質問に対し、1位は「お金はかけたくない」で54%。2位は「1万円~5万円未満」で14.6%。3位は「1万円未満」の節約派と「5万円~10万円」の“そこそこ使う”派が同率で12.1%。
英語に年間10万円以上かけるという積極派は全体の7.3%で、そのうち年間30万円以上かけられる人はたった1.9%。全体としては、英語に使える金額はせいぜい月に数百円~数千円という倹約振りが明らかになりました。
興味はないけど、留学するなら英語圏
留学に関しては、「したくない(77.7%)」が「したい(22.3%)」を3倍以上上回り、留学に興味のない人が圧倒的多数となりました。一方、「留学したい国は?」については、アメリカ・イギリス・オーストラリア……と英語圏が上位を独占。中国語や韓国語など、英語以外の語学熱も高まっているものの、「留学するなら英語圏」は今も健在のようです。
8割以上が「英語が苦手」。でも子どもには期待?
「自分の英語力に自信がありますか?」という質問に対しては、86.6%の人が「ない」「あまりない」と答えています。「現在の自分の英語力に近いもの」としては、「全くできない(47.9%)」「読み書きはできるが話せない(27.3%)」と、英語力不足を自覚している結果になりましたが、「英語で困ることはない(5.4%)」という実力派も少数ながら存在することが分かりました。
「子どもに英語を習わせたいか」という質問に対しては、「分からない」が一番多く44.8%。「習わせたい・既に習わせている」が合わせて41.2%で、全体としては英語教育への関心が高い結果になりました。
「何歳くらいから習わせたいか?」の質問には、「小学校低学年から(27.8%)」「2歳未満から(17.2%)」「3歳(13.6%)」と低年齢化しており、早めに始めれば英語力がつくのでは、という期待を親がもっていることがうかがえます。
英語は努力より環境?
英語が上手に話せているタレントTOP10 |
英語力に自信はないけど、お金はかけたくないし、留学もしたくない。意識調査からはそんな日本人像が浮かび上がってきました。これは、日本人が英語を身に着けることを諦め、消極的になりつつあることの表れでしょうか? それとも賢明な消費者になった証拠?
次ページで詳しく説明します。