英語はホントに必要ですか?
必要性を意識しつつも勉強はしない……多くの人が英語に消極的な理由は、心のどこかで英語の必要性に疑問を持っているからだと思われます。「英語は必要!」「言うほど必要じゃない」……日本人の心の中は、英語に対する相反する気持ちが常にせめぎあっているのかもしれません。 |
日本に住み、ごく普通の社会人として生活していく上で、英語ができなければ生きていけないという状況はまず起きません。友達が外国人と親しそうに話していたり、海外転勤が決まったり……そんな場面で「いいなあ、私も英語が話せたら」などと思うことはあるかもしれませんが、それだけのことです。
「英語が話せるようになりたい!」と10年以上思い続けている私ですが、英語が本当に必要だと感じたことは、未だかつてただの一度もありません。英語はあくまでプラスアルファに過ぎず、これができなくては生きていけない、というような状況はまずありえません。
日本語の絶対的パワーは国宝級かも?
日本はなぜこれほど英語が必要ないのでしょうか? それにはハッキリした理由があります。日本語が非常に強いパワーを持っているからです。これはもちろん日本国内だけの話で、海外に行けば日本語はごくマイナーな言語の一つに過ぎません。しかし、日本国内においては、他の言語の追随を許さないほどの確固とした地位を保ち続けているのです。そんなのあたり前!? ではないのです。ローカル言語が絶対的パワーを持っている国というのは、案外珍しいのです。
歴史的に、日本は一度も植民地になることがありませんでした。第二次世界大戦では敗戦しましたが、英語が公用語になることはなく、母語である日本語はそのまま生き残りました。
日本の歴史も文化も、近代以降発展してきた知識や技術もそっくりそのまま日本語で発展し続けることが可能だったのです。これは、今から思えば奇跡的なことでさえあります。
ローカル言語では仕事ができない国もある
格安の英語留学先としても注目されているフィリピン。フィリピンは世界で3番目に英語を話す人口が多い国なのです。 |
フィリピン出身の知人によると、フィリピンの学校は、多くの教科を英語でしか教えないのだそうです。そのため、ローカル言語では、知識を技術を表現することができません。知識や技術がベースとなるビジネスは、英語なしにはなりたたないのです。
日本では、家庭内のたわいない会話から、ノーベル章を受賞するような高度な技術まですべて日本語で表現することが可能です。英語の必要性が低いのは当たり前。日本人の英語ベタは母語を失わなかった幸せの副作用とも言えるのです。
そんな日本に於いて、英語が「添え物」として扱われるのはごく自然な流れとも言えます。採用時・昇格時にチェックされる英語力が、履歴書の見栄えや、従業員のモチベーションチェックに使われるだけということは珍しくありません。その場しのぎで済むのであれば、ビジネスパーソンたちが英語を本気で学ぼうとしないのもムリはありません。
ここで再考。英語はホントに必要ですか?
さて、すっかり「英語は本当はそれほど必要じゃない」という流れになってしまいましたが、ここでもう一度考えてみたいと思います。自分の現実を直視しましょう。国際社会を飛び回るスーパーエリートならともかく、ごくごく普通の日本人の自分です。海外勤務や国際結婚もたぶん無縁……ずっとこのままの自分なら「英語は要らない! 」と結論づけてみるとします。どうですか? ちょっとサバサバしませんか?
今まで、違和感を持ちつつも「英語は必要だ!」と自分にムリに言い聞かせ、「いつか勉強しなければ」という思いに苛まれていたかもしれません。しかし、一度「英語は不要だ!」と口に出すと、清々しい開放感に包まれるのではないでしょうか。
あなたは英語を勉強する必要がないのです。少なくとも、そんな外圧はないのです。それでもなお学びたい……そんな気持ちが湧いてくるのであれば、これからは今まで見えなかった景色が見えるようになるでしょう。
不要なことを敢えてやろうとする時、周りの景色はガラっと変わります。本当に素晴らしいながめです。
どれくらい素晴らしいかと言うと……