新3か月トピック英会話 『英単語ネットワーク ~めざせ10,000語!~』 |
一般の学習者は2,000語程度の基本的な英単語を知っていると言われています。この講座は、既知の2,000語を足がかりに、新しい単語をネットワーク状につなげることで、10,000語の語彙力を手にいれようという試み。3か月分の番組テキストには、10,000語の語彙リストが掲載されます。
マイ10,000語を見つけよう!
一般に「10,000語」と言えば、英文雑誌がスラスラ読めるくらいの上級レベルと言われています。しかし、この講座はそんな難関レベルのものではありません。「案外、自分が使えそうな単語だけでも、すぐに10,000語をカバーしてしまうことがわかっていただけると思う」と言うのは、番組監修で東海大学教育研究所教授の鈴木広子氏。
一般的な頻出単語を10,000語ソートして並べると、7000語あたりから学習者があまり知らない単語がたくさん出てきます。この講座では、それらの馴染の薄い単語をムリに覚える必要はないと判断。ネイティブは、成人でおよそ60,000語のボキャブラリがあるといわれているので、頻出語にこだわらず、興味ある分野にフォーカスした10,000語を覚える方がむしろ使える語彙力になるのでは? 番組はそんな問いかけから出発しています。「マイ10,000語を見つけよう!」これが、この講座のメッセージなのです。
番組オリジナル! トピックごとの小さなコーパス
そこで番組では、さまざまな場面・分野ごとにトピックを選定し、その話題に関連する新聞・雑誌記事、百科事典などを集めてコーパスを作成し、頻出語彙100選を選び出しました。学習者は自分が興味・関心のあるトピックで、どんな単語がよく使われているのか一目で参照できるのです。「コーパス」を知らない読者のためにちょこっと解説。 コーパス(=corpus)とは、さまざまな例文を集めたデータベースのこと。近年、辞書の編纂などでは、コーパスをコンピューターで分析し、よく使われる語句を抽出して見出し語が決められるようになりました。ところが、辞書作成が目的のコーパスは非常に広いジャンルのテキストを収集して作られるため、必ずしも会話で使いたい語句が上位に来るわけではないのが問題でした。そこで番組では独自にコーパスを作成。それぞれのトピックごとに、よく使われる語句を抽出したのです。
番組の目玉となるこのオリジナルコーパス作りで、語彙の抽出・リストのデータ作成を担当したのが、All About「TOEIC・英語検定」ガイドの中田達也氏です。語源解析などのアプローチで語彙学習方法の研究に取り組んでいる中田氏にとっても、トピックごとにコーパスを作成するというアプローチは新鮮だったそうです。「最終的に約60~70のコーパスをつくることになり、野心的な試みだと思う」と中田氏はコメントしています。
「携帯電話」を中心に、さまざまな単語がネットワークでつながっています。 |
意外な単語同士がつながっている
語彙リストを見ると、意外な語がそのトピックに関する頻出単語になっていたりして、非常に面白いです。例えば、第一回目のエピソードのトピック「携帯電話(cell phone)」の語彙リストを見ると、「mobile」「portable」といった別の呼び方から、「miniaturization(小型化)」「hands-free(手を使わずに操作できる)」といった最近の機種の傾向、「ban、prohibit(禁止する)」「distraction(気を散らすもの)」というネガティブ面を連想させる語などが含まれています。
さて、この講座のもう一つの目玉は「ネットワーク」。リストアップされた単語同士をネットワーク化し、相関図としてビジュアルにすることで、単語がそのトピックの中で果たす意味や役割がハッキリと見えてきます。次ページで「単語ネットワーク」についてご紹介しましょう。