温泉/温泉を楽しもう

今年の温泉ベスト10 <2008年 対談前編>(8ページ目)

今年の温泉ベスト10!日本を代表する温泉研究家、郡司勇(温泉レポート)と、藤田聡(日本の名湯)両ガイドによる、年末恒例の特別対談!互いの温泉観も含め、今年も奥深い対談となりました。温泉好き必見です!

藤田 聡

執筆者:藤田 聡

温泉ガイド

温泉ベスト10 藤田分一位 地獄温泉 清風荘

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地獄温泉 清風荘
地獄温泉 清風荘 すずめの湯の湯治場風情は、温泉として別格の良さ!

<藤田> 第一位は、地獄温泉 清風荘です。実は、ここの宿としての評判の高さが気になって今年泊まってみたのです。食事は旨いし、宿泊料は安いし、料金から考えば客室にも納得出来るし、どの部屋に泊まっても食事が選べるなど、秘湯の宿としては完璧で、評判の高さにも納得でした。いつも日帰りでは、すずめの湯に浸かってばかり居るので、泊まった時位、他の湯も楽しもうと思い、宿泊者専用の貸切風呂に浸かりました。食事の後は、一応すずめの湯に浸かって、すぐに他の風呂に行くつもりだったのですが、夜のすずめの湯の雰囲気に圧倒され、とても他の湯に行く気がしなくなりました。

実は前回日帰りした時から次回は泊まると決めていたので、最終確認の意味で夕方に訪問し、夕方から夜に掛けてのすずめの湯の雰囲気を確認したのです。その時は、日が暮れて行くのに比例して、単に薄暗くなって行く浴場であり、夜の照明に照らされても、特別な風情のアップは無いと感じました。前回そう思ったからこそ、今回気に入ったのは自分でも本当に意外で、前回の自分の目が節穴であったと思わざるを得ませんでした。夜、暗くなる一方のすずめの湯。その認識自体は合っていました。その暗くなった浴場に、昔から変わらない本物の湯治場風情を見出したと感じた途端に、その場から離れ難くなってしまったのです。

実は以前も、黒湯温泉に泊まった時に、露天風呂で全く同じ気分になったことがあります。こうした共通点から考えると、日帰りで行った時と宿泊で行った時では、感じ方に微妙な違いが出て来るのかもしれない、と思いました。いずれにせよ、夜のすずめの湯の湯治場風情は、最早良いとか悪いという相対評価の範疇ではなく、温泉として絶対的な別格の良さと感じました。温泉番付でいえば、横綱を通り越して行司や勧進元に位置するに違いない。すずめの湯から部屋に戻る途中、そう確信しながら歩きました。

<郡司> 名湯すずめの湯の泥は年々薄くなっていますが、それでも足元湧出の存在感と硫黄臭、湯の色など素晴らしい温泉ですね。あと名物のバーベキュー料理がうまかった記憶が強いです。

対談前編は以上です。後半は、温泉レポートの今年の温泉ベスト10 <2008年 対談後編>につづきます。
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