暑い夏におすすめの温泉って?
温泉は一般的には、寒い冬が最適なシーズンだと思われているようなのですが、実は夏こそ温泉なんです! 確かに温泉は暖かいものですが、決して寒い冬だけのものではありません。むしろ夏の方が多くの面で向くのです。冬は大量の衣類を脱衣、着衣するのが大変ですが、夏は少量の衣類で済みますし、脱衣場が寒くて辛いということもありません。また、寒い時期には湯気がこもって、折角の内湯風情が見えない場合がありますが、夏ならそんなこともありません。
意外かもしれませんが、このように夏はまさに温泉に向いた季節。さらに関東周辺には、避暑を兼ねたカップルのデートにも向いた、夏こそ楽しめる温泉があるのも事実。今回は、ガイドお勧めの夏向きの温泉を、3つのタイプ別に紹介します!
夏の温泉おすすめタイプ1:動物と出会える温泉
地獄谷温泉の露天風呂は、野生の猿が生息する、山奥の温泉らしいワイルドな風情が魅力。 |
地獄谷温泉は山奥の秘湯です。冬以外は近くの有料駐車場まで車で行けますが、そこから15分程歩かないと辿り付けません。宿の対岸には有名な観光名所、地獄谷野猿公苑があり、野生の猿が数多く生息する大自然の真っ只中にあります。
この素晴らしい自然環境を露天で漫喫し、秘湯らしい素朴な風情を内湯で漫喫出来るのが、地獄谷温泉の一軒宿、後楽館です。
温泉パイプをつり橋代わりに渡る猿。野生の猿にとって野猿公苑の中と外という意識は当然ない。付近一帯を自由自在に闊歩する。(地獄谷温泉露天風呂から撮影) |
野猿公苑に行くと注意書きがありますが、野生の猿と目を合わせたり、小猿に近寄ってはいけません。親猿が喧嘩を売っていると勘違いして、襲って来る可能性がありますので、十分注意が必要です。貴重品や帽子なども、一瞬のスキに持って行くことがありますので、要注意。そうした注意を怠らなければ、猿は本当にかわいいものです。
野生の猿にとって、野猿公苑の中と外という意識は全くありませんので、温泉宿の周囲も自由自在に猿が闊歩しています。そうした様子を露天風呂からそっと眺めていると、いつまでも飽きることがありません。
夏は猿が温泉に寄って来ることは少ないと思いますが、冬は猿と混浴出来ることもあるようです。ただし、猿にも機嫌がありますので、ご機嫌斜めな猿が近寄って来た場合には、内湯に逃げ帰る必要もあると思います。野生の猿とのご対面は、あくまでも自己責任になりますが、忘れられない思い出となるに違いありません。
なお、野猿公苑に行く際には、夏の日中は猿もぐったりしていますので、朝涼しい時間帯がお勧めです。
■交通アクセス情報
目を合わせないように、伏せ目がちに猿を眺めていると、もっと積極的に猿と触れ合いたくなるのも事実。その願望を満たしてくれるのが、西伊豆や南伊豆の温泉からも近い、波勝崎苑(※ 2019年10月24日現在、休業中)です。ここでは、猿ではなく、人間の側がオリに入ることで、餌を与えることが出来るのが最大のポイントです。オリの中には売店があって、猿の餌を売っています。
波勝崎苑に比較的近い、西伊豆の名湯といえば、桜田温泉があります。詳細は以下の記事を参照願います。
桜田温泉山芳園 露天風呂付き客室と離れ
猿の話ばかりして来ましたが、季節はずれのホタル観賞はいかがでしょうか? 通常は6月が見頃のホタルですが、志賀高原では7月中旬から8月中旬が見頃です。
近くには名湯として名高い、熊の湯温泉熊の湯ホテルもあります。詳細は以下の記事を参照願います。
熊の湯温泉!志賀高原のホタルは夏が見頃
夏の温泉おすすめタイプ2:標高の高い温泉で熱帯夜知らず!
温泉の総合的な効能の一つとして、転地効果ということが知られています。温泉地という日常生活とは違った環境へ旅行するだけでも、癒し効果が得られるといわれています。
夏だから、海沿いの温泉に行くというのも悪くないでしょうが、みんなが同じことを考えるので、渋滞必至でかえってストレスになってしまうかもしれません。都会の熱帯夜から離れ、冷房しなくても朝晩が涼しく熟睡出来るという意味で、むしろ標高の高い山の温泉地もお勧めです。
東京から近く、標高の高い温泉で、多数の宿泊施設があると言えば、万座温泉です。近代的なリゾートホテルから、素朴な秘湯の宿まで、さまざまなタイプの宿が揃う中で、その両方の風情を楽しめるのが、万座温泉日進舘です。
大浴場「長寿の湯」では木造の湯治場風情の中で、苦湯源泉100%かけ流しの温泉を満喫出来ますし、展望露天風呂極楽湯では、整った施設でミルキーな源泉が漫喫出来、まさに極楽!
標高の高い万座温泉では、真夏でも朝晩は冷え込みますので、衣類を多目に持参するのがおすすめ。熱帯夜から解放されたい方には、本当にお勧めの温泉地です。上記でホタルが見れる温泉として紹介した、熊の湯温泉熊の湯ホテルも、万座温泉から近い標高が高い温泉です。
なお、万座温泉と日進館の詳細については、以下の記事も参照願います。
万座温泉は標高日本一の温泉街!
■交通アクセス情報
- 万座温泉日進舘
- 住所 群馬県吾妻郡嬬恋村干俣万座温泉2401
- 電話 0279-97-3131
- 日帰り入浴 10:00~17:00 1,000円(万天の湯、円満の湯は除く)
- 関越道練馬ICから車で約3時間15分
- Googlemap
温泉を選ぶ時、普段は標高を気にすることはありません。しかし、夏向きの熱帯夜とは無縁の標高の高い温泉は結構あるものです。以下の記事では、標高1,500m以上の温泉の中から、温泉を厳選して紹介していますので、参照願います。標高の高い温泉(1,500m以上)で夏バテ解消!
夏の温泉おすすめタイプ3:冷たい温泉で暑い夏を乗り切る
温泉とは、暖かいものばかりではありません。湧出した時の温度が25度以上あれば、成分にかかわらず温泉に該当します。また、成分が濃厚であったり、指定された成分が基準以上含まれていれば、もっと冷たくても温泉に該当するのです。
そうした冷たい温泉は、浴用加熱といって入浴に適した温度まで加熱されて利用されるのが一般的です。しかし、水風呂として非加熱で利用される場合もあり、加熱された湯船と交互に浸かることで、気分爽快になるだけでなく、血行や新陳代謝が一層促進されるともいわれています。
このような、温冷交互入浴の浴槽を備えた温泉が、何故か多いのが山梨県です。昔から富士山の見える所では、暖かい温泉は湧かないというジンクスがあり、冷たい温泉が多かったことで、こうした伝統が生き続けているのだと思われます。もちろん、掘削技術の発達した現代では、暖かい温泉も多数開発されています。
山梨県の歴史の古い温泉の多くは、武田信玄の隠し湯と呼ばれます。その代表格がこの下部(しもべ)温泉です。武田信玄自身も湯治に訪れたと伝えられるように、昔から湯治効果抜群の温泉として知られ、今も湯治場情緒を色濃く残す、落ち着いた雰囲気の温泉です。
その下部温泉の温泉街中心部にあるのが、大市館 裕貴屋です。下部温泉でも数少ない、足元湧出の岩風呂を持つ宿として知られています。源泉温度は30度程ですが、夏の暑い時期には、気持ちが良い温度です。夏以外の季節だと、いかにも水風呂という温度ですので、夏に向いた温泉とは、まさに下部温泉のことだと思ってしまいます。
下部温泉は、昔からミネラルウォーターの産地としても知られています。実際、下部温泉に泊まると、お茶や、ご飯が大変に美味しく、水が違うだけでこんなに美味しいのかと感激してしまう程です。
■交通アクセス情報
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