『西遊記』三蔵法師の目的地ブッダガヤ

ブッダガヤのマハーボディ(大菩提寺)

ブッダガヤのマハーボディ(大菩提寺)。中央の本堂は高さ52mで、周囲に4つの小堂を持つ ©牧哲雄

釈迦(しゃか)が悟りを開き、ブッダ(仏陀:悟りを開いた人)となった成道(じょうどう。悟りを開くこと)の地、ブッダガヤ。いまも世界中から僧たちがこの地を訪れ、修行を行っている。

今回は仏教四大聖地のひとつ、インドの世界遺産「ブッダガヤの大菩提寺」を紹介する。

釈迦物語1 出家

蓮池ムチャリンダに浮かぶブッダとナーガ

蓮池ムチャリンダに浮かぶブッダとナーガ像。ナーガは東南アジアのヒンドゥー寺院で5つ首の大蛇像としてしばしば見かけられ、日本などには龍として伝わった

紀元前6~紀元前5世紀、いまのネパールのルンビニ(世界遺産)で、シャカ族の王子・釈迦(サンスクリット語でゴータマ・シッダールタ)が誕生した。

マハーボディと菩提樹

マハーボディと菩提樹。マハーボディという名の建物は世界中にあるが、この寺院に由来する ©牧哲雄

時代はまさに戦乱の世。マガタとコーサラという大国を筆頭に、数多くの国々が群雄割拠する時代だった。釈迦は16歳で結婚するが、生老病死の四苦をつねに身近に感じる彼の心が落ち着くことはなかった。

釈迦が出家するのは29歳のとき。一説によると、城の東門で老人、南門で病人、西門で死人を見て無常を深く感じ、北門で自分の道を探し求める僧に出会い、その潔い姿に打たれて出家したともいわれている。このとき妻は妊娠していたが、子が産まれる直前に宮殿を出てしまった。

国を捨てた釈迦は名高い僧のもとを訪ねては、絶食や問答などを繰り返し、厳しい修行に明け暮れる。しかし、彼らの語る言葉が釈迦の苦しみを消すことはなく、まして苦行が悩みを癒やすこともなかった。