世界一美しい海岸「アマルフィ海岸」(イタリア)
リアス式海岸の入り江にはあちらこちらに街が点在する。こちらはアマルフィ海岸随一の高級リゾート、ポジターノ。 |
世界遺産でもあり、イタリアの食の名所として有名なナポリ。このナポリからこれまた世界遺産であるポンペイの遺跡を抜けてさらに進むと、複雑に入り組んだ断崖絶壁の海岸線が現れる。「世界一美しい海岸」の異名をとるアマルフィ海岸だ。
海岸線は約40kmで、クネクネと曲がるリアス式海岸の一つひとつの入り江にビーチがあり、そこから切り上がる山々に色とりどりのかわいらしい家並みが寄り添うように集まって、小さな街を作っている。この街々を貫くドライブ・ルートからの眺めはすばらしく、ポイント・ポイントにホテルがあり、高級リゾートとして栄えている。
アマルフィは12世紀まで、イタリアを代表する都市国家だった。いち早く羅針盤を採用し、地中海に覇を唱えてイスラム諸国と貿易を行い、当時西欧最先端の街として繁栄した。所々に見られるイスラムやビザンツの様式が混在する建物やすぐれた工芸品はその頃の名残りで、多文化を吸収してきたアマルフィの文化水準の高さを物語る。
アラブ式の影響を受けているアマルフィ大聖堂のファサード(正面)。 |
実はアマルフィ海岸周辺は食の宝庫でもある。レモンやトマト、オリーブ、ブドウといったイタリアンの核になる食材の名産地であるばかりか、海には様々なエビやカニ、魚にイカがいて、モッツァレラなどのチーズ作りも盛ん。お酒も、ワインはもちろんグラッパや、特産であるレモンのリキュール=リモンチェッロなどが楽しめる。
こんな場所では腰を据えてじっくりと、自然と、その幸を楽しみたい。
キング・オブ・世界遺産は次のページへ。