トカイ・ワインの製法と種類
一部貴腐化しつつあるブドウ。トカイ特有の気候とボトリティス・シネレアという菌がこの現象を引き起こす。©ハンガリー政府観光局 |
桶に残ったブドウを機械で圧搾し、貴腐ブドウだけで発酵させると「アスー・エッセンシア」になる。一方、通常のトカイ・ワインは先ほどの貴腐ブドウの桶=プットニュに一定量の普通のブドウ(白ワイン)を加えるのだが、入れた貴腐ブドウの量で3~6までの「プットニョシュ」という単位で表現される。
現在プットニョシュは糖度によって区分けされており、たとえば3プットニョシュだと136Lの樽で糖分が60~90g、6プットニョシュだと150~180g、エッセンシアにいたっては500gを超えるものもある。
3プットニョシュのトカイ・ワインはやはり白ワインに近く、エッセンシアと比べてしまうとまるで別物だが、それはそれでスッキリと楽しめて、値段も\2,000前後からとお値打ちだ。
さてこのトカイ・ワイン。17世紀にオスマン・トルコの侵略を受けて収穫が遅れ偶然発見されたという伝説も残っているが、確証はなく、12世紀頃から作られていたという人もいる。とにもかくにも伝統あるワイン作りと、ワイン畑の美しい文化的景観に対してユネスコはその普遍的価値を認め、2002年、トカイ山の山裾に広がる地域が世界遺産に登録された。
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