4/6 映画で世界遺産1 インディ・ジョーンズ [世界遺産] All About

『インディ・ジョーンズ／魔宮の伝説』

世界中を飛び回るインディ・ジョーンズ・シリーズの中で、全編のほとんどが宮殿の中で展開する異色作がこちら。しかしながら最初から最後までハイライトの連続で、息もつかせぬ展開がアクション映画の歴史を変えたと言われるほどの作品に仕上がっている。

冒頭、インディアナ・ジョーンズは中国の上海で、マフィアを相手にダイヤモンドと清朝の初代皇帝ヌルハチの骨壷との交換に挑む。銃撃戦を切り抜けて飛行機で中国を脱出するが、ヒマラヤを越えた辺りで飛行機が墜落してしまい、インドの片田舎の村にたどり着く。

村を見回しても子供はひとりもおらず、話を聞けばそれまで村を守っていた秘石サンカラ・ストーンと一緒に奪われてしまったのだという。救世主が空から現れる――村に伝わる伝説通りに登場したジョーンズは、捜査のためにパンコット宮殿を訪れることになる。そこで目にしたものは、カーリー神に生け贄を捧げるサギー教団と、５つ集めると奇跡的な力を発揮するという、破壊神シヴァが高僧サンカラに与えたという３つのサンカラ・ストーンだった。

ネパールの世界遺産「カトマンズの谷」のダルバール広場にあるカーリー神像。©牧哲雄

世界遺産とのつながりで言えば、まずカーリー神。パンコット宮殿の地下で登場したサギー教団が祀る全身黒に染められた神像が、ヒンドゥー教でいうカーリー神だ。手を４本持ち、額にチャクラを輝かせ、ドクロの首飾りをつけた女神で、アシュラとの戦いでアシュラたちを大虐殺したことで知られる。シヴァの女神パールヴァティの化身のひとつと言われ、シヴァ神の上で踊っている彫刻はインドやネパールのあちらこちらで目にし、インドの世界遺産「カジュラホの建造物群」やネパールの世界遺産「カトマンズの谷」などでも見ることができる。

さらに、ラスト・シーンに登場する橋での戦闘シーン。実はスリランカの世界遺産「聖地キャンディ」の郊外で撮影されている。

【映画基本データ】
『インディ・ジョーンズ／魔宮の伝説』
監督：スティーヴン・スピルバーグ
製作総指揮：ジョージ・ルーカス、フランク・マーシャル
製作：ロバート・ワッツ
音楽：ジョン・ウィリアムズ
脚本：ウィラード・ヒュイック、グロリア・カーツ
出演：ハリソン・フォード、ケイト・キャプショー、キー・ホイ・クァン

【関係する世界遺産】
・聖地キャンディ（スリランカ）

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