世界遺産/世界遺産関連ニュース

超速報! 2007年新登録の世界遺産全リスト!!

石見銀山、逆転で世界遺産へ! アラビアオリックスの保護区、史上初の登録抹消!! 衝撃的な展開を見せた第31回世界遺産委員会を速報。新しい22件の世界遺産全リスト、新たな危機遺産・名称変更した世界遺産も発表。

長谷川 大

執筆者:長谷川 大

世界遺産ガイド

レッド・フォート
新しい世界遺産、レッド・フォート(デリー城、ラール・キラー)。©牧哲雄
2007年6月23日~7月1日にニュージーランドのクライストチャーチで第31回世界遺産委員会が行われた。大きなニュースは2つ。石見銀山遺跡とその文化的景観の世界遺産登録!と、オマーンの「元」世界遺産、アラビアオリックスの保護区の世界遺産からの抹消だ。

今回は第31回世界遺産委員会の主な決定事項をダイジェストで紹介する。新しい22件の世界遺産(文化遺産16、自然遺産5、複合遺産1)もすべて掲載!

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石見銀山遺跡とその文化的景観、逆転で世界遺産へ

石見銀山遺跡
「石見銀山遺跡とその文化的景観」の一部をなす、島根県大田市の鉱山町・大森の街並み。©牧哲雄
5月12日、文化庁は世界遺産登録が期待されていた石見銀座遺跡に対して、ICOMOS(イコモス=国際記念物遺跡会議)に「記載延期」の評価を受けたことを発表した。

理由は、東西文明交流の十分な証拠がないこと、銀の生産の運営について研究が不十分であること、銀山が文化的景観にどのような影響を与えたのか調査が不十分であること、そしてアジアの他の鉱山との比較が不十分であること。

ICOMOSの評価には4段階あり、「記載」「情報照会」「記載延期」「不記載」で、「記載延期」は下から2番目。世界遺産登録はかなり厳しいと見られていた。

しかし、第31回世界遺産委員会で日本政府は大量の反論書などによって巻き返しを図り、結果大きな反対もなく世界遺産登録が決定した。これで日本は推薦した世界遺産を14件連続、1度の延期や不記載もなく登録を成功させた。

アラビアオリックスの保護区が世界初の登録抹消!!

1972年にはじまる世界遺産35年の歴史の中で、はじめて世界遺産リストからの抹消という事件が起きた。対象の「元」世界遺産はオマーンの「アラビアオリックスの保護区」。

オマーン政府は世界遺産のガイドラインを無視し、開発のために保護区を90%縮小。もともと絶滅の恐れがあったアラビアンオリックスの数はさらに激減してしまった。

世界遺産条約の義務を怠ったことから登録の抹消が決定。アラビアオリックスの保護区は世界遺産リストから外された。


危機遺産リスト新掲載&削除された世界遺産と名称変更された世界遺産は次のページへ。
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