ドイツ語の発音のコツとは?

旅を一層楽しくするドイツ語の挨拶・一言」では、すぐに覚えられて旅先で使える簡単な表現をご紹介しました。今回は、一般的にドイツ語の読みに使用されているカタカナ表記の中で、そのままカタカナ読みをするとドイツ人になかなか通じないものをピックアップ。「ここに気をつけて発音すれば、通じる確率がグンと上がる!」というポイントをお教えします。
※アクセントを置く部分は太字で表記してあります。
   

ドイツ語の発音の基本はローマ字読み!

Butter
英語と同じ綴りの「Butter」もローマ字読みで
日本人にとってドイツ語の発音は英語に比べるとずいぶん易しく、それほど苦労することはありません。なぜ易しいかというと、基本的にローマ字読みでOKだから。ドイツ語には英語と同じ綴りの単語がたくさんありますが、それらもローマ字読みをします。

例えば「Butter(バター)」は「ブター」、「Bus(バス)」は「ブス」、「Name(ネーム=名前)」は「ナーメ」。簡単だと思いませんか? 日本人の私たちには、ちょっと驚いてしまう響きもありますが……。ただし、やはり例外も少なからずあります。どんな例外があるのか、次の項目で見ていきましょう。
 

ドイツ語をローマ字読みしないのはこんな時

例えば普通は「e」は「エ」と発音しますが、「ei」と並んだ時は「エイ」ではなく、必ず「アイ」という発音になります。

例:Ente エンテ (鴨……ドイツ料理の定番の1つ) / Fest フェスト (祭り)
eins アインス (数字の1) / Nein ナイン (いいえ)

この「ei」の規則のため、ケイコ(Keiko)さんは、知らない人からは「カイコ」と呼ばれることが多いようです。

また、「s」は通常「サシスセソ」の発音ですが、後に母音(a,i,u,e,o)が続くと濁った「s(ザジズゼゾ)」になります。そのためガイドはいつも「アザーミ(Asami)」と呼ばれます。

■その他の例外発音
  • eu=オイ  例:Euro オイロ (ユーロ)
 
  • ie=イー  例:Liebe リーベ (愛)
 
  • sch=シュ  例:Schnee シュネー (雪)
など

このようにローマ字とは異なる読み方・発音の仕方もいろいろあるのですが、必ず「この例外のときはこの読み」というルールがあります。それらの例外規則を全て覚えると、知らない単語でも問題なく正しい読みをすることが可能になります。

さあ、早速アルファベットの読み方と発音のコツを見ていきましょう!
 

ドイツ語のアルファベットの種類と発音

ドイツ語のアルファベットの読み方
ドイツ語のアルファベット
ドイツ語には通常のアルファベット26文字+4つの特殊文字の計30文字がある

「ß」は「ss」と書くこともでき、発音は「s」と同じです。

アルファベットの上に点が二つ付いたものを「ウムラウト」と言い、ドイツ語では「ä」「ö」「ü」の三種類があります。ウムラウトはそれぞれ「ä=ae」、「ö=oe」、「ü=ue」と書き換えることも可能。コンピュータなどでウムラウトが入力できない時、このように打てばウムラウトと見なされます。「ß=ss」も同様です。ドイツ鉄道の時刻検索サイト(英語・ドイツ語)などで地名を入力する時に、これを知っておくと便利です。
 

ドイツ語の発音:アクセントは頭に!

ドイツ単語は、アクセントが頭に付くものが圧倒的に多いです。旅行中によく使う地名も、ほとんどが頭にアクセントを置けば間違いなし。

Hamburg ンブルク、Rothenburg ローテンブルク、Heidelberg イデルベルク、Düsseldorf デュッセルドルフ、Leipzig イプツィヒ

日本語に定着している読み方では、「ハンルク」「ライプツィヒ」など、たいてい後半にアクセントが置かれていますね。ここで、力強く頭にアクセントを置いて発音すると、かなりドイツ語っぽくなります。

※例外:Berlin ベルーン Hannover ハーファー など
 

ドイツ語の発音:「r」の発音は「ア」!

「r」は、アルファベット表では「エル」と表記、カタカナ読みは「ル」とされるのが一般的です。例えば、「Berlin ベルリン」、「Weimar ワイマール」、「Guten Morgen グーテン・モルゲン」など。でも「r」を「ア」、または単に伸ばす印と捉えると、ずいぶんドイツ語らしくなります。

Berlin(ベルリン)=ベァーン(ベーーン)
Weimar(ワイマール)=ヴァイマー
Hamburg(ハンブルク)=ンブァク
Nürnberg(ニュルンベルク)=ニュァンベァク
Guten Morgen(グーテン・モルゲン)=グーテン・アゲン(ーゲン)

ただし、「r」が冒頭に来る場合は「ラリルレロ」の発音になります。
例:Regen ーゲン (雨) / Reise イゼ (旅行)

この発音をマスターしないと通じないことが多いという厄介で重要なウムラウト「ö」について解説します! 文豪ゲーテも、「ゲーテ」なんて言われて嘆いてるかも?!
 

ウムラウト「ö」の正しい発音は大事!

Köln
世界遺産の大聖堂がある、ライン河沿いの町「Köln」の発音はとても難しい……
まずは特殊文字「ウムラウト」の発音の仕方を解説します。
 
  • ä ……日本語の「エ」と同じように発音。これは簡単。例:Bär ベア (熊)
 
  • ö ……日本語の「オ」の口の形をもっととがらせた状態にし、そのまま「イ」と発音。「オ」の口の形を崩さないのがポイント。例:Köln コェルン (ケルン)
 
  • ü ……日本語の小さい「ュ」を、もっと口をとがらせた状態で発音。例:müde ミューデ (眠い)


一般的なカタカナ表記では、「ä」は「エ」、「ö」も「エ」、「ü」は「ュ」とされています。ここで問題なのが、「ö」の「エ」。例えばKöln=ケルン、Goethe=ゲーテ(昔はウムラウトがなく、ä=ae、ö=oe、ü=ueと書かれていた。このGoetheはGötheと見なす)、という表記がすっかり定着しています。

でも、ドイツ人に向かって「ケルン」とか「ゲーテ」とか言ってもまず通じません。文脈で通じる場合もありますが、最後まで分かってもらえなかった……という話も聞いたことがあります。そのため「ö」という文字を見たら、上で説明した発音の仕方をがんばって試してみてください。

このやっかいな「ö」の発音。ガイドはどちらかというと、「エ」より「オ」の方が近いと思っています。上の発音の仕方を忘れてしまったら、「エ」のバージョンと「オ」のバージョン両方を試してみると良いでしょう。「ケルン」「コルン」、「ゲーテ」「ゴーテ」。両方繰り返して言っていると、ドイツ人もそのうちピンとくるはずです。
 

「ö」=「エ」と発音すると、全く違う単語になってしまう例

中庭
「中庭」はドイツ語で「Hof」。これが複数形だと「Höfe」となり、かなり厄介な発音に
使用頻度の高い「können」(英語の「can=~できる」)。本来の発音を無理やりカタカナで書けば「コェネン」ですが、ここで一般的な「エ」のバージョンを使って「ケネン」と言うと、別の単語「kennen=(人や物を)知っている」になってしまいます。

また「Hof ホーフ(中庭)」という単語の複数形は「Höfe」。「ホェーフェ」と書くのが本来の発音に一番近いと思いますが、ここでも「エ」のバージョンを使って「ヘーフェ」と表記されるのが一般的。でも「ヘーフェ」だと「Hefe=酵母(イースト)」になってしまうんです!

ベルリンのおしゃれなショップが集まった中庭空間「Hackesche Höfe(ハッケーシェ・ヘーフェ)」や、ミュンヘンにある5つのゾーンからなる新しいショッピングエリア「Fünf Höfe(フュンフ・ヘーフェ)」など、この言葉はよく使われています。ガイド記事「ベルリン(1)歴史とモダンが融合する町」でも「Hackesche Höfe」を紹介していますが、ここでは一応、一般的な表記「ヘーフェ」を用いました。が、本当はちょっと抵抗感がありました。だって「酵母」ってちょっといやじゃないですか(笑)? せっかくおしゃれな空間なのに。ミュンヘンの「Fünf Höfe(フュンフ・ヘーフェ)」も、これでは「5つの酵母」になってしまいます(fünf=数字の5)。

という訳なのでみなさん、がんばって「Höfe」は「ホェーフェ」と発音しましょう! 無理なら、「ホーフェ」の方がまだ通じる(笑われない)はず。外国人が間違った発音をするのは当然なので、笑われるのは構わないのですが、なぜ笑われているのか分かった方がこちらも楽しい(?)ですよね。
 

最後に要点をまとめてみましょう。
■基本はローマ字読み
■アクセントは頭におく
■「r」は「ア」、または伸ばす印
■ウムラウト「ö」は「エ」と「オ」の間の発音


この4点に気をつければ、本物のドイツ語の発音にグッと近づくはずですよ。

最後の最後にもう1つ。記事の中でお気づきになった方もいらっしゃると思いますが、ドイツ語では、名詞の頭文字は大文字で書きます。それ以外は小文字。これはドイツ語のとても分かりやすい点ですね。

ドイツに行ったらここで覚えたことを思い出して、ドイツ人っぽくドイツ人に話しかけてみてくださいね。現地での通じ具合や、「こんな単語が通じなくて苦労した!」などのご報告もお待ちしております。
 

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