花の湯あげ方法とは
お庭で摘んだ草花などをお部屋に活けようとしても、水を吸い上げてくれなくて、うまく活けることができないということはありませんか?そういったときは「湯あげ」という方法がおすすめです。
湯あげとは…お花をお湯につけてしまって大丈夫?
「お花をお湯につけてしまって大丈夫?」と思われるかもしれませんが、大丈夫なんです。この方法は、お花屋さんではすごく良く行われている方法なんですが、一般的にはあまり知られていないのです。
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まずは、自分のハサミの切れ味を再確認! |
植物は通常、根から吸収した水を、茎をタテに通っている導管という管を使って花まで吸い上げています。切り花も同様に導管を使って水をあげるのですが、すでに根っこがなくなってしまっていますから、茎の切り口から水の浸透圧によって水を吸い上げます。切り花を切る際は、「良く切れるハサミでスパッと切るように」とよく言われますが、これは、その導管の入口がつぶれてしまわないようにということなのです。ですから、「自分で水あげをしようとするとどうもうまくいかない」という方は、まず、ご自分のハサミに問題がないかチェックしてみてください。良く切れるハサミで水あげを行えば、大抵の花はうまく水があがっていくはずです。
湯揚げに適した花や植物は?
それでもうまくいかないものも、確かにあります。たとえば、マーガレットやヤグルマソウなどのしおれやすい野の花で、これらの植物には、「湯あげ」が有効です。湯揚げの原理は、茎をお湯につけることによって、導管内の空気を外に押し出し、それによって導管内に水がスムーズに上がるようになるというものです。
一般的に水あげが難しいとされているバラにも、この方法を使うことができます。ただし、チューリップやスイセンなどの球根植物や、ガーベラなどの茎が太く水分が多い花材には、あまり向いていません。
花の湯あげの手順
茎の下部を20cmほど残して、新聞紙でくるみます。
このとき重要なのは、茎がまっすぐになるようにしっかりとくるむこと。そして、蒸気が花や葉に当たらないよう、根元の部分をピッチリと止めることです。
茎の先を、良く切れるハサミで斜めに切ります。
お湯につけます。このとき、茎の先端から、空気が押し出されて、ぶくぶくと泡があがってくるのが見えるはずです。
お湯につけてからゆっくりと20数えたら、あらかじめ用意しておいた冷水に勢いよく入れます。写真のように深い容器を用意し、たっぷりの冷水の中で、なるべく立てておくことが重要です。これをなるべく涼しい所に置いて、2時間ほど経つと、葉の先端までしっかりと水があがっています。
こうして花や葉の先端にしっかり水があがってから、改めて適度な長さに切り、花器にアレンジをします。
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