一輪挿しって案外難しい
一輪挿しのポイント
食卓や洗面所など、日ごろ目にする場所に、さりげなくお花が活けられているのはいいものですね。かわいい空き瓶やシンプルなグラスに、一輪花を挿すだけで良いのに、それが、なかなか上手くいかなかったという経験はありませんか?
実は、一輪挿しは、花と花器のバランスだけで勝負するので、花を沢山使うアレンジメントよりも、意外と難しいときがあるのです。でも、花と花器のベストなバランスを知ってしまえば大丈夫。これから紹介する基本を覚えて、いろいろな花で応用してみましょう。
基本は花器の1.5倍
花瓶と花のバランス
この写真のアネモネ、どちらの長さが良いと思いますか?
そう、左の方が、落ち着いたイメージに感じますね。実は、右側は、花器の2倍の長さに切ったもの、左は、1.5倍の長さに切ったものなんです。このような、口のすぼまった牛乳瓶のような形の花器に活ける場合、「花は花器の長さの1.5倍」と覚えておいてください。
ちなみに、花の長さを決めるときは、花を逆さに持って、こんな風に花器にあててみます。そうすれば、どこで切ればよいか、簡単にわかりますね。
長い花器を使うときの花の飾り方
先ほどの、1.5倍のセオリーにもとづいて、長いグラスに活けてみました。なんだかひょろっとして、不安定な感じがしますね。これは、スリムな花器に対して、ちょっと大きい花が、高すぎる位置にあるからなんです。
こういうときは、一輪にこだわらず、小さめの花を添えてみましょう。小さめの花をグラスの1.5倍の長さにし、この花の頂点を、一番高い部分とします。そして、アネモネは一番低い部分に、その中間にもう一輪別の花。というように、3輪使ってみると、バランスよくおさまりました。スリムな花器には、やはり、スリムな花が合わせやすいということですね。小さめの花の代わりに、イタリアンルスカスなどのグリーンを使ってもよいでしょう。
2本以上挿すときは長さを変えてバランスよく
最後に、一輪挿しにこだわらず、2本・3本と挿したいときの基本を紹介します。フラワーアレンジメントでは、「同じような花が横に並ばない」のが基本。それは、一つ一つの花を、それぞれ美しく見せるための基本ともいえます。写真では、2本の花をそれぞれ花器の1.5倍に測って活けたのですが、こんな風に2本の花が並んでしまってはいけません。あなたなら、どのように直しますか?
紫色の方を短く切って活け直したのが、この写真です。花の位置をずらしただけで、全体的にまとまりつつも、それぞれの花が、こちらを向いて、よく見えるようになりました。そして、このように、濃い色と薄い色の花がある場合、濃い色の花を低い位置に活けると、全体的に落ち着きが出て、バランスが良くなります。
最後に、コツのコツをもうひとつ。それは、「2本より3本の方が活けやすい」ということ。偶数だと、どうしても、横一列に並んで見えやすくなってしまうのです。うまく活ける自信のない方は、先ほど、長いグラスに活けたように、花の大きさや形の違う3本を使うことを頭に入れておいて、お花屋さんで選んでみましょう。
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