欧州ロングステイの新拠点、中欧・ハンガリーの首都ブダペストを、ガイドが徹底取材しました。東西冷戦終結から20年。歴史・文化芸術の薫風高い中欧は、ここ数年、自由化が進んだことから、旅行者数も顕著な伸びを示しています。市内滞在に飽きたら、ブダペストを拠点にしたクルーズ旅行もよし、温浴施設で湯治もありの地勢のよさに加え、08年世界金融危機の影響でハンガリーの通貨フォリントが大きく下落したことから、物価面での暮らしやすさも際立ちます。
【関連記事】
ブダペストが起点ドナウの船旅アマダージョ
ハンガリー人とブダペスト長期滞在の魅力に迫る
|
左手ブダ地区と川を挟み右手がペストこの一帯が世界遺産に認定されている |
地図を広げてみてください。ヨーロッパのほぼ中央に位置するハンガリーは、日本の国土の約4分の1。ドナウ川が南北に流れ、首都ブダペストの河岸周辺一帯やペスト地区の目抜き通り・アンドラーシ通りはユネスコの
世界遺産に登録されています。「ドナウの真珠」「ドナウの薔薇」と称されるブダペストの町。盆地に広がる歴史建造物の数々と大河を中心に形成された類稀なる都市景観は、近隣国にはない魅力を秘めています。音楽留学や歴史家、建築家の視察も多いブダペストですが、かつて旅行で訪れリタイア後に再訪を望むシニアが少なくないのも頷けます。
|
ドナウに架かる美しい"くさり橋"はハンガリーのシンボルにもなっている |
ハンガリーのひとたちは、自らを「マジャール人」と呼びます。その
ルーツは東方系のアジア民族にあり、ハンガリー人の姓と名は日本のそれと同じ並び(ファミリーネームが前、ラストネームが後)であることからもうかがえましょう。公用語はハンガリー語ですが、歴史的にさまざまな民族の流入があったハンガリーでは、英語併記が一般的。口語のうえでも、わかりやすい発音なのが特徴です。中欧各都市のなかでも
ブダペストはコスモポリタン的要素が強い街なのです。
|
ハンガリーの通貨フォリントがユーロに変わる日もそう遠くない |
04年、EUに加盟したハンガリー。通貨
フォリントが、世界金融危機の影響で大きく下落したのは記憶にあたらしいところです。しかし民衆はいたって平穏で、ここ数年の物価高騰を冷静に振り返る余裕もみられるようになりました。ユーロ圏に比べると、生活物価の面でも
暮らしやすさを実感することができるでしょう。ブダペスト市は公共交通機関が網の目のように発達しているため移動も簡単。タクシー利用も含め、
交通費がたいへん安いのもうれしい点です。
それでは次ページより、具体的なブダペストのロングステイ術をお伝えしましょう。
【INDEX】
■
クィーンズ・コート・ホテル&レジデンスでブダペスト暮らし■
ブダペスト庶民の台所・中央市場で食材を買う■
温泉療養ホテルで湯治気分 マルギット島のダヌビウスに滞在する■
音楽に美食、小旅行・夜のエンタメも充実のブダペスト■
ハンガリー・ロングステイの基礎知識