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ロンドンの街角で見つけた英語・路上編

ロンドンの街角にある気になる英語、第2弾をお送りします。さすが歴史のある街と納得させられたり、意外な非合理性に驚かされたり、言葉がわかると、いろいろなことが見えてきます。

足立 恵子

執筆者:足立 恵子

トラベル英会話ガイド

前回、ロンドンの地下鉄の中で見つけた英語についてご紹介しましたが、今回は路上に出てストリートの英語をお届けします。東京に比べて、交通標識や看板などちょっとしたものがオシャレで、「やっぱりロンドンは違う!」なんて思ってしまいますが、そこに書かれていることをよくよく見てみると、意外に奇妙なことだったりするのです。

車がくるのは右から? 左から?

traffic light
ロンドンの押しボタン式信号。「青信号」はblueではなくgreenと言います(確かに緑ですね!)
日本の歩行者用信号を思い浮かべてみてください。青が歩く人、赤が立っている人で、実にわかりやすいですね。ロンドンの歩行者信号も同様なのですが、さらに丁寧にこんなことが書かれていました。

PEDESTRIANS
push button and wait for signal opposite
wait
(赤信号)
cross with care(青信号)

pedestriansは、「歩行者」の複数形。その次は、「ボタンを押して反対側の信号を待ちなさい」ですね。ちなみに「信号」はtraffic lightまたはlightという言い方もよく使われます。赤信号のところは「待て」とすぐにわかりますが、青信号のcrossは、ここでは「(通りを)渡る」という動詞。cross with careで「注意して渡りなさい」となります。

意外にわかりやすくてほっとしてしまいますが、よく考えてみると、なぜわざわざこんな当たり前のことが書いてあるのでしょう?! 当たり前と言えば、さらに奇妙なのが、すべての横断歩道の路面に書かれているLOOK RIGHT(右を見なさい)、LOOK LEFT(左を見なさい)の文字。つまり、「車が右/左から来るから注意して渡りましょう」ということなのですが、もちろん、ロンドンっ子ならわざわざこんなことを書いていなくても、車がどちらから来るかは習慣的にわかりますね。

ロンドンはさまざまな国・地域から人が集まる多文化都市なので、慣れない人のために書かれているという考え方もありますが、私は地下鉄のときと同様、「言わなくてもよさそうなこともあえて言う/書く」という西洋的な発想の一端を見てしまったような気がしました。「言わなくてもわかるだろう、と思って言わない」のでななく、「言っても言わなくてもいいことなら、とりあえず言っておく」ということなのでしょう。

⇒それでは次に、街角のポストを見てみましょう。
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