車がくるのは右から? 左から?
ロンドンの押しボタン式信号。「青信号」はblueではなくgreenと言います(確かに緑ですね!) |
PEDESTRIANS
push button and wait for signal opposite
wait(赤信号)
cross with care(青信号)
pedestriansは、「歩行者」の複数形。その次は、「ボタンを押して反対側の信号を待ちなさい」ですね。ちなみに「信号」はtraffic lightまたはlightという言い方もよく使われます。赤信号のところは「待て」とすぐにわかりますが、青信号のcrossは、ここでは「(通りを)渡る」という動詞。cross with careで「注意して渡りなさい」となります。
意外にわかりやすくてほっとしてしまいますが、よく考えてみると、なぜわざわざこんな当たり前のことが書いてあるのでしょう?! 当たり前と言えば、さらに奇妙なのが、すべての横断歩道の路面に書かれているLOOK RIGHT(右を見なさい)、LOOK LEFT(左を見なさい)の文字。つまり、「車が右/左から来るから注意して渡りましょう」ということなのですが、もちろん、ロンドンっ子ならわざわざこんなことを書いていなくても、車がどちらから来るかは習慣的にわかりますね。
ロンドンはさまざまな国・地域から人が集まる多文化都市なので、慣れない人のために書かれているという考え方もありますが、私は地下鉄のときと同様、「言わなくてもよさそうなこともあえて言う/書く」という西洋的な発想の一端を見てしまったような気がしました。「言わなくてもわかるだろう、と思って言わない」のでななく、「言っても言わなくてもいいことなら、とりあえず言っておく」ということなのでしょう。
⇒それでは次に、街角のポストを見てみましょう。