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どちらがお好き?日本とフランスお家比較(2ページ目)

おしゃれなフランスのお家、しっとりとした日本の住宅。あなたは、どちらがお好きでしょう?フランス人建築家Frederic BEREDERさんに両方の特徴をお聞きします。

越智 三起子

執筆者:越智 三起子

フランス語ガイド

日本の伝統家屋は世界一モダン!?

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Normandie風のスケッチ
越智:では、日本の建築についてお聞かせ願えますか?

Frederic:compas(コンパス)とéquerre(直角定規)を用いて設計される日本家屋は、骨組みを重視するフランスのcathédrale(カテドラル)を連想させます。「たたみ」という発想はもちろんオリジナリティーあふれるものですが、伝統的な日本家屋のもつエッセンスと精神は、世界で最もModerne(近代的)なものと位置づけることができるでしょう。

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Bordeaux
風のスケッチ
越智:「Moderne」ですか?なんだかピンとこないのですが……。

Frederic:ええ、イメージしにくいかもしれませんが、日本の伝統的な建築様式は、断固として「Moderne」ということができます。現代風な家づくりをめざす日本のconstructeur(建築業者)が、Franck Lloyd WrightMaison Prairie (プレーリーハウス)をコピーするのを見るのはおもしろいものです。彼は、「プレーリー・スタイル」とよばれる高さを排した平面的な様式を「日本家屋の原型」とみなしていたのですから。

越智:世界的に「近代建築」とみなされているスタイルは、実は「日本の伝統的な建築様式」であったということですね。やっとわかりました。地下室や屋根裏部屋にモダンを感じる日本人の一人として目からうろこでした。(笑)

建物と共に想像がふくらむ!

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いかめしい顔の鬼瓦
越智:インタヴューに先立ってFredericさんには、日本家屋とフランス家屋の違いについてリストアップしていただいたのですけど、entrée(玄関)のドアについて、日本家屋は外開き、フランスは内開きなどというおもしろい発見がいくつかありました。日本家屋を見て、いろいろ不思議に思われることも多いのではないですか?

Frederic:靴を脱がなければならない日本のentréeには、儀式的なものを感じます。横浜にある三溪園の建物などは、ものすごく巨大なentréeを持っています。かつてあの場所で何をしていたんでしょうか?履物を脱ぐという儀式のためだけでしょうか?(笑)ただ個人的には、長旅に疲れほこりにまみれた旅人と彼の足を洗うためにやって来る若い日本女性を想像するのが好きです。

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有名なノートルダムのchimère
こういうのに睨まれていると悪さはできない。
越智:さすがというか、日本人では思いもつかないようなすっごい連想ですね。確かに、時代劇の一場面で見たことがあるような……。個人的には、日本家屋のentréeを前にしてそういう連想をしているフランス人を想像するのが楽しいです。(笑)

Frederic:屋根のtuiles(瓦)も素晴らしいですよ。粘土瓦、特に屋根の端を飾るporte-bonheur(厄よけ)のtuilesは芸術作品そのものです。恐ろしい顔をしてmauvais sorts(悪運)を威嚇しているという印象をうけます。

越智:いわゆる「鬼瓦」のことですね。個人的にはフランスで見られるgargouille(ガ-ゴイル)やchimère(キマイラ)に同じような印象をもっていたんですけど、考えてみればgargouilleには「水の排出口」という立派な役割がありますから、純粋に悪運を「威嚇」という点からすれば「鬼瓦」、人間の愚かさを「威嚇」という点ではchimèreに分がありますかね。でも、家を建てるなら全部つけたいかも。(笑)Fredericさん、その際はよろしくお願いします。

次ページでは、「日本のお家」のここがスゴイ!をお届けします。
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