ポッドキャストChocolatとのコラボレーションとしてお届けしている音声付き記事第12弾。今年最後の共通テーマは、omelette(オムレット/オムレツ)。Chocolatではomeletteを実際につくりながらの日本語とフランス語の自然な会話をお楽しみになれます。All Aboutでは、世界一有名なomeletteにスポットをあててみましょう。
世界一有名なプラ-ルおばさんのオムレツ
世界中の観光客を魅了するMont Saint-Michel |
(旅はいかがでしたか?さあ、さあ早くテーブルへどうぞ。さぞかしお腹がすいていらっしゃるでしょうから……。)
『LA MERE POULARD』 par E. Couillard(le curé du Mont Saint Michel),1932
かつてMont Saint-Michel(モン サン ミシェル)が、華々しい観光地ではなく純然たるカトリックの聖地であった頃、優しい笑顔で、疲れ果てたpèlerins(ペルラン/巡礼者たち)を自身のauberge(オベルジュ/宿屋)に受け入れながら、Annette Poulardはなんとかこの人たちのお腹を早くいっぱいにしてあげられる料理はないものかと思案しました。
おいしく、手早く作れて、お腹を満たすもの。おかわりさえも、簡単に出してあげられるもの。彼女がその答えとして出した料理omeletteは、そのままl'omelette de Mère Poulard(ロムレット ドゥ メール プラ-ル/プラ-ルおばさんのオムレツ)として伝説と化し、今では世界中の旅行者が、このomeletteを食しにMont Saint-Michelを目指すまでになりました。
世界中を虜にするomeletteの秘密とは?
Omeletteを火にかけるAnette Poulard 画像提供:La Mère Poulard |
「せっかくここまで来たのだから、一生の記念に……」、「とはいっても、omeletteごときにこの値段は……」と、おそらくは観光客の頭を悩ませることにかけても世界一なのがこのomelette。
ならば、お家で簡単につくってしまえ!といきたいところですが、その前に覚えておきたいl'omelette de Mère Poulardの特徴を2つあげておきましょう。
1.材料の(ウッフ/卵)とbeurre(ブール/バター)が高品質である。
フランスのバターは、日本と違って基本はbeurre fermenté(ブール フェルマンテ/発酵バター)。omeletteにはbeurre doux (ブール ドゥ/無塩バター)を使うのが一般的ですが、l'omelette de Mère Poulardにはbeurre demi-sel(ブール ドゥミ セル/有塩バター)が使われています。
2.cuisson(加熱調理)はfeu de bois(フ ドゥ ボワ/薪の火)で行われている。
イラストにあるように、Annette Poulardが長い柄のついたpoêle(プワル(発音注意!)/フライパン)でomeletteを焼いているのは薪でおこした火の上。この火力を再現するには、やはり努力が必要。こだわり派のあなたは、いろいろ頭を悩ませてみてください!
次ページでは、l'omelette de Mère Poulardのレシピを大公開!