おフランス発:小さな子どもたちが夢見る職業とは?
消防士はフランスの男の子たちの憧れの的 |
一方男の子はというと、文化の違いもあってプロ野球選手はさすがにないもののfootballeur(フットボル-ル/サッカー選手)はやっぱり人気。最近ではピラミッドや恐竜人気も手伝って、恐竜の骨を探すためにpaléonthologue(パレオントログ/古生物学者)、ファラオの墓を探すためにarchéologue (アルケオログ/考古学者)なんていう子も少なくないとか。prestidigitateur(プレスティディジタトゥール/手品師)もなかなかの人気です。
そんな中で、時代を問わず男の子たちに大人気の職業と言えば、フランスではpompier(ポンピエ/消防士)。日本ではpolicier(ポリシエ/警察官)人気の影に隠れている感じではありますが、危険な目にあいながらも命をかけて炎と戦ったり、勇敢に人命を救う姿がその人気の秘密のようで、Noël(ノエル/クリスマス)のプレゼントに、「はしご車」がよく売れるというのもうなずけます。
ところで、フランス語の名詞は、一般的には男性名詞か女性名詞にわかれ、性別は固定されているのですが、職業名の多くは、男性形・女性形の2つの形をもちます。今回は、ONISEP(オニセップ :Office national d’information sur les enseignements et les professions)発表による2003年の資料をもとに、フランスの14-17歳の子どもたちが将来つきたい職業名でお勉強とまいりましょう。
憧れの職業Best 10:青春まっさかり男子編
さて、夢見る小学生とは違って、なんとなく自分の才能や得意分野にも気付く年頃の彼らが選んだ職業とは……。1位:Ingénieur(アンジェニユール/エンジニア)
パイロット人気もなかなかのもの |
2位:Pilote d'avion(ピロット ダヴィオン/パイロット)
3位:Commercial(コメルシアル/営業・販売関連)
4位:Informaticien(アンフォルマティシアン/情報処理技術者)
5位:Professeur(プロフェスール/(中学以上の)教師)
6位:Acteur(アクトゥール/俳優)
7位:Footballeur(フットボル-ル/サッカー選手)
8位:Mécanicien(メカニシヤン/整備工)
9位:Pompier(ポンピエ/消防士)
10位:Journaliste(ジュルナリスト/ジャーナリスト)
Best10の中で、男性形と異なる女性形を持つ職業名は、Informaticien、Footballeur、Acteurの3つです。Mécanicienには女性形のMécanicienne(メカニシエヌ)もありますが、こちらは「ミシン工」の意味になりますのでご注意ください。
職業名の女性形は、通常男性形の後ろに「e」をつければ完成です。その職業に従事しているのが女性である場合には、女性形を使用します。また、上記の形以外に独自に語尾が変化するものも少なくありません。上記3つの職業名はすべて例外ですので一つずつみてみることとしましょう。
まず最初のInformaticienですが、女性形はInformaticienne(アンフォルマティシエヌ)となります。男性形語尾が「-ien」となっている場合、女性形は「-ienne」を語尾としてつくります。次に、Footballeurですが、こちらの女性形は、 footballeuse(フットボルーズ)。男性形語尾が「-eur」の場合、多くは「-euse」を語尾として女性形をつくります。もともとは男性がつく職業であったために女性形をもたない職業名が多い中、「サッカー選手」がきちんと変化するというのはなんだか不思議な気がしますよね。
さらに、語尾に「-teur」という形をもつActeurの女性形は、語尾を「-trice」と変えて、Actrice(アクトリス)としてください。英語と似ていますから大丈夫でしょう。なお、このような変化は国籍の性・数の変化パターンに共通しますので、お忘れの方は、記事 『祝W杯! 出場国名を極めよう(前編)』をご確認下さい。 次ページは、憧れの職業Best 10:夢見る乙女編をおおくりします。