かわいい「いちご」も嫌われ者?/いちご編
かわいい「いちご」のイメージもフランス語にはない。 |
ここで使われているfraiseは tête (頭/顔)のargot(アルゴ/隠語)。Ramenerは「再び連れてくる」という意味の動詞で、直訳は「いちごをつれてくる」。同じような意味をもつフランス語には、この表現を略した形のla ramenerや、「口」を意味する名詞gueule(グール)を使った ramener sa gueule がある。場の雰囲気が読めないうっとおしい人に、「いちごちゃん」というあだ名をつけてみると、優しくなれるかもしれませんね。
動詞sucrerは「砂糖を入れる」の意味。いちごに砂糖をふりかける様子を想像してみてください。なかなか乙女ちっくな表現ですが、実際は、「(病人や老人などの)手が震える」様子を表しますから、高齢者ちっくな表現です。
人気のフルーツをまとめて覚えよう!/バナナ・レモン・さくらんぼ編
かわいいみつごちゃんが大活躍!Nicole Lambertの人気絵本『Les Triplés』 |
「桃編」で紹介したavoir la pêcheと同じような表現ですが、こちらは持っているのはバナナ。なんとなくその形から、にっこり笑った口元が連想できますよね。
citronが「レモン」のこと。presserは、「しぼる」の意味で、presser le citron(レモンを搾る)とすると、「誰かからしぼれるだけしぼりとる」という意味に。自分をしぼられたレモンのようにしてしまうときは「se presser」、他人の場合は「presser」と覚えましょう。
queueは、「しっぽ」を意味する女性名詞で、この場合はcerises(サクランボ)がくっついている軸の部分を指します。給料が少なかったときに、「Il est payé des queues de cerises.(彼はサクランボの軸を支払われた)」とか、価値のなさそうなものを指して言うときに、「ça vaut des queues de cerise.(サクランボ軸ほどの価値)」などと使います。
直訳は、「それは、ケーキの上のサクランボだ」。ガイド自身がはじめてこの表現と出会ったのは、みつごちゃんが大活躍するNicole Lambertの人気絵本、『Les Triplés』の一節。「いちご」じゃないんだなーと妙に感心したものです。
いかがでしたか?全般的に、「フルーツ」に関しては否定的な表現が多いフランス語。そのなんだかほろ苦い関係にやきもきさせられましたが、どうやら、サクランボは人気のようで、なぜかホッとしました。
みなさんも、いろいろ想像しながらフルーツでもつまみつつお勉強にいそしんでくださいね。
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