清少納言によれば、日本の春といえば「あけぼの」。ところをフランスに移してみると、春といえばPâques(パーク/復活祭)です。日本では「イースター」の名で、徐々に知名度をあげている「復活祭」。今回は、このPâquesにまつわるお話です。
Pâques っていったい何?
Pâquesを祝う街のショーウィンドウ 画像提供:ビュバーのお店~さやさ~ |
また、Pâquesはフランスのles fêtes(レ フェット/祝祭日)の多くがそうであるように、fête religieuse(フェット ルリジューズ/宗教上の祝祭)です。フランスでreligion(ルリジオン/宗教)といえば、catholique(カトリック)。十字架にかけられたJésus-Christ (ジェジュクリ/イエス・キリスト)のrésurrection (レズュレクシオン/復活)をお祝いするのがPâquesというわけです。
Pâquesは毎年日曜日と決まっていますから、その翌日の月曜日は、lundi de Pâques(ランディ ドゥ パ−ク/復活祭の月曜日)といってお休み。学校も、Pâquesの前後2週間がvacances de Pâques(ヴァカンス ドゥ パーク/復活祭の休暇)となって、日本でいう春休みとなります。
Pâquesで覚える曜日名
Pâquesが「春分後の最初の満月のあとの日曜日」であるというお話はすでにしましたが、その前の1週間(une semaine/ユヌ スメーヌ)のことをフランス語では、la semaine sainte(ラ スメーヌ サント/聖週間)と呼びます。それでは、Jésus-Christの受難への道をたどりつつ、フランス語の曜日名をおぼえることとしましょう。キリスト教の重要な逸話がめじろ押しとなる聖週間 |
次に月曜日から水曜日までですが、この3日間は特にイベント化されていませんので、語源から惑星名と共に覚えるとしましょう。
フランス語で月曜日はlundi(ランディ)、「月の日」を意味するラテン語からきています。月を表すフランス語はlune(リュヌ)。天体として表す場合には大文字表記になります。わかりやすいですよね。続いて火曜日をあらわすフランス語は、mardi(マルディ)。こちらも、火星Mars(マルス)に対応しています。水曜日は、mercredi(メルクルディ)。そして、水星を意味するフランス語は、Mercure(メルキュール)。神話に詳しい方なら、これらの天体の名前が神話にでてくる神たちの名前であることはご存知だと思います。ちなみに、フランスでは高校生まで、学校は水曜日もお休みです。
次の木曜日から土曜日までは、すべて「聖○曜日」という形で呼ばれます。まずは、jeudi saint(ジュディ サン/聖木曜日)から。この日は、ダ・ヴィンチの名作としても有名な「最後の晩餐」が行われた曜日とされています。
続くvendredi saint(ヴァンドルディ サン/聖金曜日)は、キリストのcrucifixion(クリュスィフィクスィオン/磔刑)の日。そう、十字架にかけられた日です。13日の金曜日が不吉な日とされるのも、ここからきています。今でもフランスでは、信心深いカトリック教徒は金曜日にはJésus-Christを想起させるpoisson(ポワソン/魚)を食べるという習慣がありますが、この日は、ほとんどのフランス人家庭の食卓にpoissonがのぼります。
la veillée pascale (ラ ヴェイエ パスカル/復活祭前夜)であるsamedi saint(サムディ サン/聖土曜日)には、普段教会とは縁遠いフランス人でさえも、たいていは教会のミサに出かけます。そしていよいよ、dimanche de Pâques(ディマンシュ ドゥ パーク/復活祭の日曜日)を迎えることとなるのです。
フランス語の曜日名、dimanche(ディマンシュ/日曜日)、lundi(ランディ/月曜日)、mardi(マルディ/火曜日)、mercredi(メルクルディ/水曜日)、jeudi(ジュディ/木曜日)、vendredi(ヴァンドルディ/金曜日)、samedi(サムディ/土曜日)はしっかり頭に入ったでしょうか?
次のページでは、Pâques の過ごし方がわかります。