「萌え~」という言葉に対する日本人の「萌え」度の高さ
日本人の繊細な感覚をにおわせるという点で「桜の花」を想起させる「萌え」という言葉 |
「『萌え』は非常に繊細な意味合いを含んでいる言葉だと思います。スキスキダイスキな感情だけでなくてもっとこそばゆい心情って言うか。なので、この言葉はこの言葉のままで、例えば「もったいない」のように日本語で波及するしか手がないと思います。なので「Moe」で。フランス語っぽいですね。日本人から見ると。(笑)」(u_nya_00さん )
「『萌え~』って、フランス語にあるんでしょうか・・??こんな・・微妙で・感性豊かな表現を表わす、フランス語なんて・・・恐らくないでしょう!!もしあるとすれば・・・寿司と同じように、日本語の語感をそのまま『モエッー』をフランス語読みしてると、思います!! 」( idfukurouさん )
「そのままの言葉と発音で『moe』。これでいいいんでは?「萌え」の意味は『心ときめく可愛さや美しさ』とかですけど、これを下手にフランス語に訳そうとすると、『萌え』の身軽さとか、ちょっとした特殊性が失われていくような気がします。是非、フランス語以外にもこの言葉が根付いてほしいものです。」 (yamanote_akibaさん)
3名の方のアンサーを代表として掲載させていただきましたが、どのアンサーも「訳せないのでそのまま」というスタンスではなく、「フランス語に訳したくない。日本語のままフランス語に。」という想いがひしひしと伝わってきます。
「日本語でさえ、きちんとした定義を分かっている人はいないと思います。」というfabrycationさん のお言葉にもあるように、定義すらわからない、品詞もあやふやな謎の「萌え~」という言葉へのこだわり度合いは、明らかに、「ブー子」とは違います。同じ流行語大賞の「ちょいモテオヤジ」だったら、「そのままで」とおっしゃる方はここまで多かったでしょうか?
人間の心の機微を表す言葉であれば、「日本人にしかわからない」というのもなんだか哀しい気がしますし、いろいろ修飾語をくっつけてなんとか説明しようという方が多数いらっしゃると思ったのですが、実際は、そのままの「Moe」でという回答がほぼ半数。そのこだわりの理由はいったいどこにあるのでしょう。
「萌え~」に対する文化的思い入れ
「萌え~」という言葉に対する日本人の思い入れはかなりのもの |
そうした意味で、beams_3uz_feさんの以下のご意見は、当初、前記のような理由から、ベストアンサーにはなるべくそのままの「Moe」を選ばないでおこうと考えていたガイドにも、再考を促すものでありました。
「イタリアでベネチアビエンナーレ国際建築展という国際的な美術展が開催されていますが、04年に開催されたベネチアビエンナーレ建築展第9回での日本館のテーマは『おたく:人格=空間=都市』でした。そこでは『萌え~』という言葉(感情)について解説もされていましたが、英語やイタリア語やで相当する言葉が無かったようで『Moe』を英文により解説したようです。なので当方はフランス語についても『萌え~』を的確に表す言葉は無いと思うわけです。……(省略)。ちなみに日本のオタクは280万人以上と言われており、その市場規模を考えると恐ろしいほど経済効果が期待できます。オタク文化は今や立派な産業。日本の文化として世界を征服できる可能性を秘めていると思います。」
音についてのこだわりアンサー
さらに、「萌え~」という音に対するこだわりも、半端でないものがありました。フランス語に直してくださった方も、そのままの方も「仮に、『萌え~』をフランス語で新しく作るなら、『~』の部分を大事にしないと。」というminamino_harukazeさんの意見に代表されるように、 鼻から息をぬいて音をだすフランス語の鼻母音やイントネーション、アクサンの指定にいたるまで、結構こだわったアンサーがめだちました。一例をあげてみましょう。「いい大人の男性がハァハァしながらかわいい女の子を見ている時になんというだろうと想像してみたときにBienが一番しっくり来ました。『萌え~~』『ビア~~ン』簡単に発声できるし、両方とも両唇を用いた発声音なので。」(gumnutsinjapanさん)
いろいろご想像していただきましてありがとうございました!結構真面目に考えられたアンサーだと思います。この他にも、フランス語表記に「~」をつけてくださったり、「動詞形の『萌える』は『moer』か『moeer』あたりが妥当(?)ですね。」という qed20032000さんのアンサーのように、「モエ~」の響きを重視するものが多数。この方たちのご意見がネックとなって、今回のベストアンサーを選出する運びとなりました。
次ページで、気になるベストアンサーと選出の理由がわかります。