直球で勝負!「萌え~」を表す正統派アンサー
「草木の芽生え」というニュアンスももつ「萌え」 |
「単独に相互翻訳すると下記のようになります。『萌え~』→Germination 」
Germination(ジェルミナスィオン)とは、「発芽、芽生え」という意味です。同じようにストレートに考えてくださったclicky_clicky_clicky_clickyさんのアンサーは次のようなものでした。
「直球で表現します。『萌える』=『(草木が)芽生える』ですからフランス語で「芽、芽生え」はbourgeon。発音は(日本語表記では無理がありますが)ブルジョン。「萌え」ている相手の目を見て胸に手をあてて鼻音と気持ちをこめてbourgeon~ ブルジョン~フランス人に最初からは気持ちは伝わりませんが、何度も繰り返せばいずれは意味が伝わるでしょう。」
germinationというフランス語には、「芽を出す」という意味と、「(感情などが)芽生える」という意味をあわせもつ動詞germer(ジェルメ)もあります。また、bourgeonの方にも、bourgeonner(ブルジョネ)という動詞表現があり、こちらは、「芽を出す」という意味の他に、「にきびができる」という意味でも使われます。お二人の共通点は、「発芽」を意味するフランス語の名詞を探してくださったということ。
さらに、wineredsheepさんの「おそらくは『感情・情熱が高まる』という意味の『燃える』に『芽吹き』の持つ若々しさのイメージから「萌」の字を当てたものでしょう。」というご意見を参考に考えてみると、「『bourgeonner』の他にも、『brûler』ではないかと指摘されている様ですね。」というklorane950さんのアンサーが気になってきます。
フランス語のbrûler(ブリュレ)とは「焼く」という意味の動詞で、「萌え」には「燃え」の誤変換説もあるようです。さらに、フランス語のbrûlerは、前置詞pour(プール)をくっつけbrûler pour~とすると、「~に恋いこがれる」という意味にもなります。klorane950さんにご紹介いただいたフランス語のサイト の内容も非常にためになる内容で、正統派の回答としては、まさにベストアンサーという感じで、brûgeonnerなどという動詞をつくりたくなってしまいました。とはいえ、「萌え~」を動詞とするならば、主語の問題につきあたってしまいます。
「萌え~」を名詞でおきかえたおもしろアンサー
英語版「Sailor Moon」。フランス語にも訳されている。 |
「『Se Ra Moon』」これしか、無いね!!・・・・・・」(yokohame0721さん)
説明する間でもなく、「美少女戦士セーラームーン」の固有名詞をあてたもので、「萌え」という言葉のアニメキャラ語源説を採用されたものでありましょう。ちなみに、フランス語でのセーラームーンの表記は「Sailor Moon」というひねりのない英語ですので、確かにyokohame0721さんの「Se Ra Moon」にアクサンをつけた「Sé Ra Moon」の方がフランス語っぽい感じがします。「C'est l'amour.」(セ ラムール/それが愛だ。)という表現を連想いたしました。
「フランス発で、マニアックな女主人公のアニメがあったとして、そのヒロインの名前にするとか。『マドレーヌウ~ん』『バーバママ~ン』とりあえず、フランス産というと、こういうのしか思い浮かばない…」(meicytriangleさん)
meicytriangleさんは、このような苦しい(笑)例をあげていただいた後、「『モエ』が一番いいような気がしますが、分かりやすさで言えば、今フランスでもはやっている日本製アニメの癒し系女性ヒロインの名」というご意見を下さっています。
真剣に考えてくださってほんと~にありがとうございました。一番笑わせてもらったという点でのベストアンサーです。フランスの子供用アニメに詳しくない方にちょっと解説いたしますと、「マドレーヌウ~ん」は、オーストリア出身Ludwig Bemelmansの手による人気キャラクターMadeline(フランス語読みは、マドリヌ)の名前をもじったもの、「バーバママ~ン」は、日本でも有名なBarbapapa一家に登場するお母さんの名前です。
どちらもフランス好きの女性や子供に大人気のキャラクターで確かに「フランス」っぽいのですが、三頭身かつ「エロチック」という概念からかなり遠い地点に存在しているという共通点があるのでかなり笑えるアンサーとなるわけです。単なるイメージですが、「萌え~」はやはり八頭身キャラですかね。
「フランス」を連想させる人気キャラクターマドレーヌ |
こちらは、固有名詞ではなく、日本が誇るアニメ文化をふまえてJaponais(ジャポネ/日本人)という案。Japonaise(ジャポネーズ)という女性形でもいいですね。les Japonaises(日本人女性)のイメージが、「ブランド品買いあさり」ではなく、上記のような褒め言葉になることを祈って一票です。それでは、最後に以下のようなkantannoayumiさんのアンサーを。
「nouveau vague de kawaii !!くらいでいかがでしょうか?」 (kantannoayumiさん)
こちらは、どちらかというと「萌え~」の概念を一言で解説してしまおうという試みかもしれません。vague(ヴァーグ/波)は、女性名詞ですので、nouveau(ヌーヴォー/新しい)という形容詞は女性形のnouvelle(ヌーヴェル)を使うのが正しいので、以下nouvelle vague(新傾向)としてお話させていただきましょう。(フランス語って難しいですね。)
このアンサーは、フランス映画の変遷を語る際に、無視できない大文字表記のla Nouvelle Vague(ヌーベルバーグ)を念頭におかれているものでしょうから、わざと「la Nouvelle Vague de Kawaii !!」という表記にしてしまってもおもしろいかもしれません。
「萌え~」という感じからははずれてしまいますが、日本のアニメ界が文化的にも高い位置を占めているというある種の日本人の誇りを伝えることができるとってもいいアンサーだと思います。
次ページでは、「萌え~」という言葉に対する日本人のこだわりについて考えてみましょう。