川口さんオススメ「食育」の資格
ガイド:食に関する資格は、今、続々と誕生しています。オススメの資格があれば教えてください。
川口さん:
一番のオススメは、やはり「管理栄養士」です。食関連の唯一の国家試験ですから。でも4年制の大学を卒業するか2年制の栄養士養成機関を卒業したのち2年間実地を踏んでから国家試験を受けるというシステム上、社会人になってから資格を取るのは容易ではないと思います。
現在私が講師をしている「食育コミュニケーター」という資格は主に食品流通やスーパーなどにお勤めの方にオススメしたい資格です。「食育を周囲の人に伝える」ということに特化していると思います。やはり実際役立てるには、学ぶだけではなく「伝える」企画力が大切ですからね。
子育てと仕事を両立できる資格
プライベートでは一児のママ。子育てをしながら、その経験をも仕事に活かしている川口さん |
子育てと仕事との両立について、ご自身の経験をふまえ、どのように感じていますか?
川口さん:
娘が6ヶ月くらいの時、医師に米、卵、肉類、牛乳を除去するように言われました。毎日うどんや牛乳・卵を使っていないパンを元にした食事で、使える野菜すら限られていたのでメニューが偏りがちになりました。
「私は管理栄養士なのにメニューが貧困だな」と自分を責めたときもありました。ある日、恥ずかしながら区の保健センターのアレルギー相談会に行ったんです。普通だったら私が逆に指導する立場となるべき場所ですが、「あの医院に行くとママの気持ちが病んでしまうんですよね。もっとリラックスして! メニューが多少偏っても今は仕方ないじゃないの。少しずつ食べられるようになるから大丈夫よ」と栄養士さんに言われ、とても落ち着きました。
私は今、指導する立場ですが、この経験をもとにお母さん達にストレスを与えない指導方法をしなくてはいけないといつも気をつけています。ですから私にとって、子育て経験は仕事面で大きなプラスになっています。
子育ての経験をしているからこそ「ママの仕事って離乳食を作るだけじゃなく、他にも様々なことに追われる大変な生活の中で離乳食を作っているんだな」ということが理解できます。これは私の強みですから子どもの存在に感謝しています。
ガイド:
自分自身の経験を元に一層資格を活かされている川口さん。女性ならではの資格のメリットについてどのように考えていますか?
川口さん:
女性は結婚・出産を機会に、ライフスタイルが変わってしまいがちだと思います。今までの仕事がそのまま続けられるとは限りません。でも資格があればまたいつでも復帰することができますし、出産・育児の間にも在宅で資格を活かした仕事を少しだけすることも可能です。ライフスタイルにあわせて自分で仕事をコントロールできるのがいい面だと思っています。