技術者・エンジニアの地位向上に貢献
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| PE協会で技術者の国際化に努める大久保氏 |
PEには、エンジニアの誓い（Engineer's Creed）なるものがあるとお聞きしましたが・・・。
大久保：
そうです。毎回、講義、セミナーの冒頭では、全員起立して、エンジニアズ・クリードを唱和します。その中にも書かれていますが、エンジニアは、「自分の利益よりも社会への貢献を優先する」、「常に、誠実で正直な事業にのみ参画する」など、昨今の耐震偽装問題などは排除可能な技術者の高い倫理性を問う内容になっています。
技術者として、誇りを持って仕事をする原点とも言える内容です。
私がボランティアとして日本PE協会で仕事をさせていただいている理由の一つに、日本の技術者の地位向上があります。日本ではこれほど、高い技術力を持っているにもかかわらず、個人としての技術者の社会的地位が、報酬面を含めても相対的に低いと思います。もちろん経営的な視点からはその方が楽かも知れませんが、金融界などに比べるとあまりにも低いと言わざるを得ません。技術への正当な評価が得られることが今後の日本の発展にも不可欠だと考えています。
その点で、PE資格は、海外ではすでに評価の高いものですから、日本人として保有する技術者が増えることで、会社や企業に埋没しない生き方が可能になると考えています。実際、PE資格を保有することで、独立したり、進出する外資系企業にスカウトされるケースも多く見てきました。
PE資格の普及と取得者を増やすことが、結果的に日本の技術者の地位向上と、これからますますグローバル化する世界でも活躍できる人材育成の切り札になると信じています。
若い技術者と接することの喜び！
ガイド：現在の日本プロフェッショナルエンジニア協会でのボランティア活動で、最も喜びと感じていることを教えてください。
大久保：何といっても、現役の若く、しかも一流の技術者たちと、常に交流できるという点です。すでに企業技術者をリタイアしたものとして、これまでの技術や経験を棚卸された見える形で直接、間接に次の世代へのアドヴァイスやメントアリングの形で役立てることが、何よりの喜びだと言わざるを得ません。また、最新の技術情報や、動向にも触れることが出来、自分自身の励みと研鑚にもつながりますから、これは止まりませんね！（笑）
さらに、プロジェクト・マネジメントの考え方を技術者が持つことで、海外進出企業のプロジェク・トマネージャーとして活躍できる力を備えることができ、その点を「鬼金セミナー」や、研修で指導できる点も、極めてやりがいのあるところだと言えます。
PMPのオリエンテーションでもよくお話しすることなのですが、仕事には、ルーティンを扱う、"Operation"型の事業と、全くゼロから立ち上げたり、今あるものを革新したりする"Project"型事業があり、これまで、"Operation"型で、日本は成功してきました。高品質の大量生産や「カイゼン」の積み重ねなどは、その典型だといえます。
ところが、この"Operation"型の事業の多くが中国や途上国に移転して行く中で、日本としての生き筋は、今後いかに技術開発や革新など"Project"型の事業に習熟、特化していくかに掛かってきてしまっているという現状があります。
この点の意識改革が実は日本企業の多くで、たいへん遅れており、いまだに、"Operation"思考の枠内から抜け出していないと感じています。方や、中国では、日本からの技術移転を受けて、すでに"Operation"型事業を手中にするばかりでなく、"Operation"型の事業からの脱却を国家レベルで策定しており、2008年の北京オリンピックに向けて、このPMP資格保持者を5～6万人にするという"Project"を始動しています。
日本が、今の技術水準を維持し、さらなる発展を遂げるためには、このPM:"Project Management"の思考の普及とPMP資格保持者の増強が、不可欠であると考える次第です。この意味においても、今の私の活動は、私にとっても新しい人生を支えるものであると言えます。
次回は、ＮＰＯ法人でのボランティア活動の実際をレポートいたします！⇒
＊（ＰＭＩ,ＰＭＰ and PMBOK are registered marks of Project Management Institute, Inc.）
関連リンク
■NPO法人「日本プロフェッショナル・エンジニア協会」
■「ＰＭＰは文系のグローバル・スタンダード！」
