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鏡餅の本当の由来!知日派も知らない!?

1月11日は鏡開き。近頃は、外国人のほうが、日本文化について知っていたりします。少々のネタでは、相手を唸らせられないと困っているあなたに、極めつけの日本文化の薀蓄をお届けします!

竹村 和浩

執筆者:竹村 和浩

ビジネス英会話ガイド

意外に知らない日本の文化

日本文化を語れることが、尊敬に繋がる!
何気ない「鏡餅」にも深遠な意味が!
とても残念なことですが、日本文化については、Zen/禅や、武士道など、近頃では、日本人よりも外国人の方が、よく知っていて、少々のウンチク・知識では、ネイティブを唸らせることが難しいといわれています。

しかしながら、藤原正彦氏の「国家の品格」にも書かれてあるように、欧米とりわけ、英米のエリートの多くは、初対面にも関わらず、いきなり日本文化、小説や、歴史に関する鋭い突っ込みをいれてくることがしばしばあります。今回は、少し時期は遅くなりましたが、お正月に関する、会話のトピックをご紹介します。これで、年初に「株」を上げましょう!


鏡餅の本当の由来を語る

お正月に床の間に飾る習慣のある、「鏡餅(かがみもち)」ですが、これの由来をご存知でしょうか?何をいまさら、と言われるかもしれません。お正月の祝い事に相応しく、みかん(正確には橙)は、橙(だいだい)繁栄が続きますようにという願い。餅は、形が昔使っていた銅鏡に似ており、自らの姿を映して、鑑みる(かんがみる)ところから鑑餅=鏡餅といわれるようになり、鏡餅の丸い形状は家庭円満を表し、重ねた姿は「一年をめでたく重ねる」意味があるとされています。

まとめれば、

=木から落ちずに大きく実りが育つことにあやかり、「代々(橙)家が大きく栄えるように」と願う縁起物

御幣(ごへい)=四手(しで)四方に大きく手を広げて繁盛を願う。紅白の赤は魔よけを意味する。

海老=腰が曲がるまでの長寿を願う。

昆布(こぶ)=その呼び名から「よろこぶ」を表す。

裏白(うらじろ=シダ)古い葉とともに新しい葉が次第(シダい)に伸びていくので、久しく栄えるという縁起を担ぐもの。

扇・末広(すえひろ)=文字通り、末広がりに、末永く繁盛していくことを願うもの。

四方紅(しほうべに)=鏡餅を乗せる色紙。四方を紅で縁取ることで「天地四方」を排し災いを払い、繁盛を祈るもの。

(商経アドヴァイスの記事より引用)

というものですが、実は、ここまでは、誰もが知っていることです。さてここからが、日本人としての腕の見せ所です!

実は、この鏡餅、地方によっても形式は若干異なるのですが、干し柿を載せることが多くあります。最もシンプルな鏡餅の原型は、先にご紹介した、橙(だいだい)と、干し柿(串柿)、そして、鏡餅の3つのみであったといわれています。後に縁起を担ぐ、様々な品が追加されてきたようです。そしてその本当に意味するところはなんと、日本の「建国の理想」を表しているというのです!


鏡餅は、三種の神器である!

日本文化を語れることが、尊敬に繋がる!
鏡餅の3要素は、橙・鏡餅・干し柿(串柿)、その意味は、積慶・重輝・養正、建国の理想
形を観れば、ある程度類推できるように、この橙と鏡餅と串柿は、玉と鏡と剣を表しており、所謂、皇室が天皇家の印として受け継いでいる、「三種の神器」を表しています。しかも、それぞれには、神武天皇以来、継承されてきた、日本の「建国の理想」が、こめられているというのです。それぞれが表しているものは、日本書紀の中で、神武天皇が、クニツ神から、瑞穂の国を国譲りした日本を治めるにあたり、次のように述べて、受け継いだといわれています。

「慶びを積み、輝(ひかり)を重ね、正しき道を養わんがため」と。

慶びとは、「生活の安定」、輝(ひかり)とは、「文化的精神的に高い生活」、正しき道を養うとは、「徳が高く、尊敬される国を目指す」という意味なのだそうです。この3つを漢文調に言えば、「積慶」「重輝」「養正」となり、日本をこのような国にするから、譲って欲しいと述べたといわれています。

その建国の理想である、積慶(せっけい)・重輝(ちょうき)・養正(ようせい)を、それぞれ、3種の神器に託したと言われています。「玉」は、「積慶」すなわち、国民が何よりも食えないことがないようにという「生活の安定」を、「鏡」は、「重輝」すなわち、衣食足りて礼節を知るごとく、食べられるだけでなく、「文化的精神的に高い生活」を目指すということ、さらに、「剣」は、道義を貫いて、「徳が高く、尊敬される国と国民」になるよう、天皇自らが率先して努力するというものです。

三種の神器と鏡餅の表す建国の理想

1. 慶びを積み(生活の保障)・・・玉 ⇒橙 

2. 輝りを重ね(精神文化)・・・鏡  ⇒鏡餅

3. 正しき道を養う(道義の一貫)・・・剣 ⇒串柿

これを天皇家が三種の神器として、代々、その精神と実践を受け継ぎ、さらには、新しい年の初めに、床の間に国民一人一人が飾ることにより、神武天皇以来の「建国の理想」を改めて、心に念ずるという意味が本来はあったようなのです。


三種の神器は、「建国の理想」の象徴

一つのヴィジョンと理想に国民一人一人が思いを新たにする、それが、これまでの日本の国柄を支えてきたように思われます。(第2次大戦前は、これが当たり前、(それも戦時中だけのことではなく)2000年以上も続いた生活の一部であったことを今一度思い出す必要があるように思われます。これを知らない私たちの方が日本の長い歴史の中ではむしろ少数派なのです。)

これも一つの解釈ではありますが、このような意味があったと思えば、この国の歴史や文化の重みを少しは、他国の人にも誇りを持って伝えられるのではないでしょうか?まして、自国の文化を誇りをもって語るときに、実は、知日派のみならず、多くのネイティブの尊敬を集めることができるのです。

追記*記録によれば、最初に鏡餅を供するようになったのは、第6代天皇のときといわれ、庶民に定着したのは、主に江戸期であると言われています。

*現在では鏡開きは、1月11日となっていますが、本来は、1月20日だったとか。1月20日に徳川家康が亡くなったので、11日にしたと言う説があります。

年初にビジネスの英語で交わす会話のちょっとした「文化トピック」として、活用していただければ、幸いです。
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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